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415. 安すぎるやろ!部活指導は時給200円か [8.トピック]

 11月11日、産経新聞が次のような記事を掲載した。

安すぎるやろ!部活指導は時給200円か…鳥取の私立高、教員ら提訴
 部活動や進路指導などの時間外勤務に時給200円しか支払わないのは違法として、鳥取県倉吉市の私立倉吉北高の教職員ら29人が同校を運営する学校法人に、未払い賃金など計約5300万円の支払いを求め、鳥取地裁倉吉支部に提訴した。提訴は10日付。
 訴状によると、就業規則は時間外勤務をすると、時間内よりも高い「割増賃金」を支払うとしているのに支給されていない。1時間200円の「特殊勤務手当」は支払われているが1日6時間限定で、労働基準法に違反するとしている。
 原告側は、8月までの未払いの割増賃金計約2650万円のほか、一方的に減額されたり、支払われなかったりした期末手当計約2530万円を請求。住宅手当、通勤手当なども規定通り支払うよう訴えている。
 大坂芳郎校長は「訴状を見て対応を検討する」と話している。
(産経WEST 2015.11.11 21:21)

 朝日新聞も報道している。記事によれば、「訴状などによると、就業規則では就業時間を平日午前8時15分~午後5時とし、時間外勤務に割増賃金を払うと定めている。原告側は、実際には1時間200円の「特殊勤務手当」が支給されるだけで、支給額も1日最大6時間分に限られているのは労働基準法に違反すると主張」と提訴の理由を説明している。

 なるほど、やはり「特殊勤務手当」であったか…。私立学校では、民間会社と同じように時間外勤務手当を支給するところが増えつつあるようだが、まだまだ公立学校準拠のような学校もあるということらしい。
 公立の義務教育諸学校の場合、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」に基づき、教育職員に対して給料月額の4%に相当する額を基準として条例で定めるところにより本給的給与の性格を有する教職調整額を支給しなければならないとする一方、教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合はいわゆる限定4項目に限ることとされている。つまり、勤務時間外において限定4項目に当たらない部活動指導業務は命じてはならないのである。その上で、学校の管理下において実際に部活動指導業務に従事し、その業務が心身に著しい負担を与えると人事委員会が認める程度に及ぶときに特殊勤務手当を支給することになっている。時間外勤務に対しては教職調整額で全般的にカバーした上で、業務の負荷の程度に応じて個別対応として特殊勤務手当を上乗せしようという組み立てになっている。従って、特殊勤務手当単体で1時間当たりの額を見ると、地域によっては最低賃金よりも安いということになってしまうのである。

 しかし、この高校の場合、1日最大6時間で1,200円という金額であり、いかにも安い。公立学校でも、今は4時間程度で3,000円(仮に1時間当たりに換算すれば750円)であるから、相当に安い印象を受ける。公立学校の場合、義務教育費国庫負担金の算定単価が平成20年に引き上げられ、当時の単価を4時間程度1,200円から2,400円に倍増させたのだが、この高校の特殊勤務手当は、平成20年よりも前の額のまま改定されずにいるということなのかもしれない。

 報道を読む限りだが、時間外勤務手当だけでなく、期末手当や住居手当、通勤手当についても争いがあるようである。どう考えても、学校法人側が負けるような印象を受けるが、行方はどうなっていくのであろうか…。

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