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436.構造改革後の俸給カーブ(その1) [50.構造改革後の俸給カーブ]

 人事院は、平成28年の勧告で、行(一)を平均0.2%引き上げることとした。
 具体的には、総合職試験、一般職試験(大卒程度)及び一般職試験(高卒者)採用職員の初任給について1,500円引き上げることとし、若年層についても同程度の改定、その他については400円引き上げることを基本とすることとした。(「職員の給与に関する報告」12頁)
 例年どおり、俸給制度表を作成し、改定内容を概観しておく。

(行(一)の改定概要)
 大卒制度年齢29歳までの号俸 すべて1,500円引上げ
 制度年齢の上昇に従って改定額400円に向けて収斂
 大卒制度年齢39歳の号俸 500円引上げ
 大卒制度年齢40歳以上の号俸 すべて400円引上げ

 行(一)以外の俸給表についても、行(一)との均衡を基本に改定することとしている。例を取り上げる。

(税務・公安一・公安二の改定概要)
 大卒制度年齢29歳までの号俸 基本1,500円引上げ(一部に1,600円又は1,800円あり)
 制度年齢の上昇に従って改定額400円に向けて収斂
 大卒制度年齢39歳の号俸 500円引上げ
 大卒制度年齢40歳以上の号俸 すべて400円引上げ

(海事一の改定概要)
 大卒制度年齢29歳までの号俸 1,700円~1,900円引上げ
 制度年齢の上昇に従って改定額400円に向けて収斂
 大卒制度年齢39歳の号俸 600円引上げ
 大卒制度年齢40~44歳の号俸 すべて500円引上げ
 大卒制度年齢45歳以上の号俸 すべて400円引上げ

(教一・教二の改定概要)
 大卒制度年齢29歳までの号俸 改定率行(一)相当(1,600円~1,900円引上げ)
 制度年齢の上昇に従って改定額400円に向けて収斂
 大卒制度年齢39歳の号俸 500円引上げ(教一3・4級を除く。)
 大卒制度年齢40歳以上の号俸 すべて400円引上げ

 細かなこところは、いつもどおりよく分からないが、基本的には従来どおりの改定方法と思われる。

 ところで、人事院は、若年層の水準を大きく引き上げ、相対的に高齢層の水準を引き上げる改定を継続している。その結果、平成18年の給与構造改革以後、俸給表の姿がどのように変化しているのか、気になっている。以下、概観してみたい。

 まず、行(一)の初号の水準及び最高号俸の水準の変化を確認する。
 平成18年4月改定の後、平成26年の総合的見直しのための改定を経て、本年(28)年勧告に至っているのだが、このノートでは簡略化し、「平成18年→平成28年(延べ改定額)」を掲載する。

<1級>
 1級1号 134,000円→141,600円(+7,600円)
 1級25号 170,200円→178,200(+8,000円)*一般職(大卒)の初任給
 1級93号 244,100円→246,600円(+2,500円)
<2級>
 2級1号 183,800円→191,700円(+7,900円)
 2級125号 309,900円→303,400円(▲6,500円)
<3級>
 3級1号 221,100円→227,900円(+6,800円)
 3級113号 357,200円→349,200円(▲8,000円)
<4級>
 4級1号 262,300円→261,100円(▲1,200円)
 4級93号 391,200円→380,200(▲11,000円)
<5級>
 5級1号 289,700円→287,100円(▲2,600円)
 5級85号 403,700円→390,200円(▲13,500円)
 5級93号 (403,700円)→392,200円(▲11,500円)…8号増設
<6級>
 6級1号 321,100円→317,700円(▲3,400円)
 6級77号 425,900円→407,400円(▲18,500円)
 6級85号 (425,900円)→409,400円(▲16,500円)…8号増設
<7級>
 7級1号 367,200円→361,800円(▲5,400円)
 7級61号 460,300円→444,100円(▲16,200円)
<8級>
 8級1号 414,800円→407,300円(▲7,500円)
 8級45号 482,600円→467,800円(▲14,800円)
<9級>
 9級1号 468,700円→457,600円(▲11,100円)
 9級41号 542,600円→526,700円(▲15,900円)
<10級>
 10級1号 534,200円→520,900円(▲13,300円)
 10級21号 575,300円→558,700円(▲16,600円)

 ざっとしたところ、一般職(大卒)の初任給が延べ+8,000円なのに対して、総合的見直しを反映して、例えば、5級最高号俸(号俸増設後)では延べ▲11,500円、6級では延べ▲16,500円となっている。

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一読者

以前よりブログを拝見させていただいている者です。

改正給与法の成立を受けて公布された人事院規則で、昇格時対応号俸表が改定されています。
http://www.jinji.go.jp/kisoku/kaisei/kaisei_kisoku/fy2016/gaiyou_9-8-82.htm
http://www.jinji.go.jp/kisoku/kaisei/kaisei_kisoku/fy2016/shinkyu_9-8-82.pdf

改定理由の説明は「俸給表の改定により、現行の昇格時号俸対応表による昇格後の対応号俸が変わる場合が生じるため」とあっさりしたものですが、一部の号俸では改定前より2号低い号俸になるものもあるなど、単に級・号俸ごとの改定率の違いによる影響を反映したというよりは何らかの意図を感じるものになっています。

今のところ上記の新旧対照表のうち行(一)、教(二)のものまでしか確かめていませんが、どうやら昇格時メリットの上限が「直近上位の号俸プラス6号俸まで」になるよう調整しているように思われます。

このような改定を行うことについて何らかの文書で説明があったか、あるいは過去の改定履歴から推測される改定理由があるか、もしご存知でしたらご教示願えれば幸甚に存じます。
by 一読者 (2016-12-01 20:45) 

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