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523. 特殊勤務手当改正の要点 [49.「人事院月報」拾い読み]

 人事院月報第105号(昭和34年11月1日発行)に「特殊勤務手当改正の要点」が収録されている。

 昭和34年10月5日に政府職員の特殊勤務手当に関する政令の一部を改正する政令(昭和34年政令第317号)が公布され、あわせて昭和34年人事院指令9-218(昭和28年人事院指令9-72(政府職員の特殊勤務手当の支給について)が発出され、政府職員の特殊勤務手当の一部が改正された。おもな改正点は、大学院研究科担当手当、多学年学級担当手当、海員学校実習授業手当、航空交通管制手当、駐留軍関係業務手当および死体処理作業手当の新設、危険作業手当の支給範囲の拡大ならびに隔遠地所在官署に勤務する職員の特殊勤務手当の手当額の改定である。(22頁)

 多学年学級担当手当をはじめ、教員関係の手当新設などが多い感じがする。早速、一部を抜粋してみたい。

   多学年学級担当手当
 2以上の学年の児童または生徒で編制する学級(以下「多学年学級」という)における授業等を行なつている国立の小学校または中学校の教諭、助教諭または講師(以下「国の教員」という)は、1学年の児童または生徒で編制する学級で従業等を行なつている国の教員に比較して、勤労の度が強く、精神的肉体的労苦も大きい。一方、地方公務員たる教員には、単級小学校、複式学級手当等の名称をもつた給与措置がとられており、以上の諸点を勘案して、国の教員にも、手当が支給できるよう制度化した。
1 手当の内容
(1) 対象作業:多学年学級における授業または指導(政令第52条)
(2) 対象職員:国立の小学校または中学校に勤務する教諭、助教諭および講師。ただし次の者は除かれる。(政令第52条、指令第6項)
(イ) 俸給の調整額を受ける者
(ロ) 多学年学級における担当授業時間数/担当授業時間数<1/2の者
(ハ) 多学年学級における担当授業時間数が1週間につき12時間に満たない者
2 手当額
 勤務1日につき次に掲げる額(政令第53条、指令第7項)
(イ) 小学校の第1学年から第6学年までの児童または中学校の第1学年から第3学年までの生徒で編制されている学級における授業または指導に従事したとき 48円
(ロ) 多学年学級のうち前号に掲げる学級以外の学級における授業または指導に従事したとき 36円
3 実施期日
 昭和34年9月1日から適用(政令附則第2項)

 そうか! 多学年学級担当手当は、地方が先行していたのか!



 次に出てくる海員学校実習授業手当は、運輸省海員学校において船舶に関する科目の実習授業または実習を伴う授業を担当している教員を対象とする特殊勤務手当として新設されたようである。説明を読み進めると、「また文部省所管の産業教育手当を支給されている学校との関係もあつて、優秀な教員の確保に支障をきたしているので、手当が支給できるよう制度化した。」とある。なあるほど…。手当額は、授業1時間につき25円。

 また、隔遠地手当についても記述があり、へき地手当との関係が述べられている。

 隔遠地に勤務する職員の困難性を考慮し、あわせて教職員のへき地手当との均衡をはかるため、隔遠地手当の支給割合の最高限度を引き上げるとともに、手当額の算出の基礎に扶養手当の月額を加えることとした。
1 手当額
 隔遠地手当の月額は、俸給の月額と扶養手当の月額との合計額の100分の25以内(政令第95条)
2 実施時期
 昭和34年4月1日から適用(政令附則第2項)


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