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116. 再任用職員の俸給水準(その6) [15.再任用職員]

 さて、どうであろうか。
中位号俸月額に対する割合は、行(一)で0.80~0.89、教(二)で0.79~0.92、教(三)で0.82~0.92と、号俸平均月額に対する割合は、行(一)で0.81~0.90、教(二)で0.83~0.92、教(三)で0.87~0.93となっている。格合わせ的な見方をすれば、概ね指数は合致しているものの、ぴったりとはいかない。昭和32年まで立ち返れば、8等級制導入時の行(一)の号俸数は15号俸とする級が多い。15号俸を超える号俸は年功的なものであって、職務と責任の評価から除くべきと仮定し、上記と同様の手法で各級の号俸数が15号俸であったとしたならばどうなるかを検証してみる。すると、かなり数値の開きは縮まり、中位号俸月額に対する割合は概ね0.90辺りに集まる。しかし、100円単位で決められるという俸給月額を考えた場合には、まだ、ぴったりとはいかないのである。しかも、こうなると教(二)(三)が分からなくなる。たぶん、人事院における計算の仕方はこのようなものとはまったく違うのだろう。若い級については、再任用職員としての最低水準があろうし、それぞれの級の水準は民間の反映ということかもしれない。

 結局、よく分からなかった。答えを見つける手法を知っている方がいれば教えてほしいと思う。
 ただ、この結果を逆に考えてみると、再任用職員に適用される俸給月額が職務と責任の評価を端的に示したものであるとするならば、中位号俸月額に対する割合や号俸平均月額に対する割合が比較的低くなっている職務の級については、その分、定年前職員に適用される俸給構造(号俸数、昇給カーブなど)がより年功的になっているのではないかと言えそうである。


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115. 再任用職員の俸給水準(その5) [15.再任用職員]

 もう少し考えてみよう。11級制が導入されたのは昭和60年7月の俸給表からであるが、その後、例えば行(一)の3級では最高号俸が27号俸から31号俸に延長されている。明確に俸給月額の幅を決めるべき職務給の原則的な考え方からすれば、いわゆる枠外昇給はその職務の市場価格を引き上げることにつながり、本来、許されるものではなく、号俸の延長が枠外昇給制度の安易な取り込みにあったとするならば、当該職務の級についての職務と責任の評価としての俸給水準を考えるに当たっては、当該号俸延長分を差し引いて検討する必要がありはしないか、と考えてみた。差し引いた号俸数は、行(一)3級が5号俸、教(二)1級が2号俸である。なお、併せて中位号俸をその級の初号から計算した場合に変更して考えてみた。さてどうなるか。
<再任用職員の俸給月額の水準(試算)修正後>
行(一)  ※1  ※2   ※3   教(二)  ※1  ※2  ※3   教(三) ※1  ※2  ※3
 11級 0.88 0.89 0.78
 10級 0.89 0.90 0.78   4級  0.92 0.92 0.82
 9級  0.85 0.87 0.75   3級  0.84 0.85 0.70  4級  0.92 0.93 0.84
                   3級  0.85 0.88 0.73
 8級  0.84 0.86 0.73
 7級  0.83 0.85 0.72
 6級  0.81 0.83 0.70   2級  0.79 0.83 0.62  2級  0.82 0.87 0.63
 5級  0.79 0.83 0.70
 4級  0.77 0.81 0.69
 3級  0.80 0.82 0.70   1級  0.82 0.88 0.67  1級  0.87 0.91 0.72
 2級  0.86 0.87 0.76
 1級  0.88 0.90 0.79
 前回と同じく、※1は、俸給月額の中位号俸月額(一部修正)に対する割合であり、※2は、俸給月額の号俸平均月額に対する割合、※3は俸給月額の最高号俸月額に対する割合である。


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114. 再任用職員の俸給水準(その4) [15.再任用職員]

 再任用職員の教(二)(三)2級の職務と責任の評価は行(一)6級に相当するという位置付けである訳だが、どうみてもその俸給水準は相対的に行(一)及び教(二)(三)2級以外の級に比べて低くなっているような気がする。その辺りを確認してみたい。ただし、再任用職員の俸給月額を具体的にどのように計算するのかは分からないので、いくつか指標を使って傾向をつかんでいきたい。
<再任用職員の俸給月額の水準(試算)>
 行(一) ※1  ※2   ※3   教(二) ※1  ※2  ※3   教(三) ※1  ※2  ※3
 11級 0.88 0.89 0.78
 10級 0.89 0.90 0.78  4級  0.92 0.92 0.82
 9級  0.85  0.87 0.75  3級  0.84 0.85 0.70  4級  0.92 0.93 0.84
                                     3級  0.85 0.88 0.73
 8級  0.84  0.86 0.73
 7級  0.83  0.85 0.72
 6級  0.81  0.83 0.70  2級  0.73 0.83 0.62  2級  0.73 0.87 0.63
 5級  0.79  0.83 0.70
 4級  0.77  0.81 0.69
 3級  0.76  0.80 0.68  1級  0.77 0.86 0.66  1級  0.81 0.91 0.72
 2級  0.86  0.87 0.76
 1級  0.88  0.90 0.79
 ※1は、俸給月額の中位号俸月額に対する割合であり、※2は、俸給月額の号俸平均月額に対する割合、※3は俸給月額の最高号俸月額に対する割合である。
 当然のことだが、行(一)の3級及び4級や教(二)(三)の2級など号俸数が多い級については、最高号俸月額に対する割合は極端に低くなっている。ただ、少なくとも退職時点で受けていた俸給の最低6割は保障されるようになっているようではある。


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113. 再任用職員の俸給水準(その3) [15.再任用職員]

 ところで、再任用職員についても「国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について」(昭27蔵計922大蔵省主計局長通牒)を確認しておこう。別表第二「再任用職員の行政職俸給表(一)の各級に相当する職務の級」である。
<再任用職員の行政職俸給表(一)の各級に相当する職務の級>
  行(一)   教(二)   教(三)
  11級
  10級     4級
  9級      3級    4級・3級
  8級
  7級
  6級      2級    2級
  5級
  4級
  3級      1級    1級
  2級
  1級
 この表では、実際の俸給水準よりも4級だけが1ランク低くいような感じになっているが、1級から3級までは前回確認してみた俸給水準と一致している。行(一)との対比を考えた場合に、定年前の職員との均衡という観点もあってこのような位置づけとなったのであろう。ここでも、教(二)(三)2級の職務と責任の評価は行(一)6級に相当するという位置づけである。定年前職員の場合には、教(二)2級は行(一)の2級から8級まで、教(三)2級は行(一)の2級から7級までわたっていると言われているが、再任用職員の教(二)(三)2級の職務と責任の評価については、なぜ6級なのか。定年前職員については、「長期継続雇用を前提として能力の伸長や新たな経験の蓄積等を評価して俸給月額を上昇させていく」必要があって行(一)の2級から7級又は8級までわたらせているのだから、本来の職務の級としては、最終到達級の一つ手前辺りの級ということなのだろうか。


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112. 再任用職員の俸給水準(その2) [15.再任用職員]

 制度導入時における再任用職員に適用される俸給月額について、教(二)(三)と行(一)を対比すると次のようになる。
 <再任用職員の俸給月額 教(二)(三)vs行(一)>
   行(一)11級 468,400
     教(二)4級 445,500
     教(三)4級 434,800
   行(一)10級 413,800
   行(一)9級 378,000
     教(二)3級 366,500
     教(三)3級 358,200
   行(一)8級 342,000
   行(一)7級 319,500
   行(一)6級 302,000
     教(二)2級 292,600
     教(三)2級 289,100
   行(一)5級 277,500
   行(一)4級 259,600
     教(二)1級 245,400
     教(三)1級 233,300
   行(一)3級 221,500
   行(一)2級 191,900
   行(一)1級 153,400
 俸給の調整額の水準について考えてみた場合と比べると、3級以下は低い水準になっており、特に2級はそれが顕著である。これをどのように考えればよいのだろうか。再任用職員の俸給月額は、「その職務と責任に応じて特定の俸給月額が端的に定められる形になっている」のだとすれば、教(二)(三)2級の職務と責任の評価は、本来、行(一)5級~6級相当ということを人事院は考えているのであろうか。


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111. 再任用職員の俸給水準(その1) [15.再任用職員]

 教(二)(三)の給与制度の特徴について行(一)との対比を中心に考えてきたが、話はまた戻るようだが、今度は再任用職員の俸給水準について、考えてみたい。

 再任用職員の「給与制度は、長期継続雇用(新規学卒から定年まで)を前提とした定年前の職員に適用される現行制度とは異なり、年功的要素は考慮せず、現に就くポストの職責に応じ、職員の勤労意欲と勤務実績にこたえ得る新たなシステムとして設計されることが適当である」とされている。(『公務員の新再任用制度詳解』(学陽書房)による。以下の引用も同じ。)しかし、実際の給与水準の設定に当たっては、民間企業における高齢者給与との関係や生計費の状況等を総合的に勘案しているそうである。従って、再任用職員の俸給月額は、「職務の評価を基本に属人的要素を含まないものとなるよう、各級ごとに単一の水準が設定されている」のである。
 そうであるなら、教(二)(三)の俸給水準と行(一)のそれとの対比を行うには、定年前の職員よりも再任用職員のほうがより端的に対比が行えるのではないか。その辺りを意識しながら、実際の俸給表により次回以降確認していきたい。


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