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18.19年4月改定 ブログトップ

146.19年4月改定全人連モデル(その7) [18.19年4月改定]

 次に、教(三)の3級の改定内容を考察しておかなければならない。
 行(一)3級の改定について考察したところでも述べたが、教(三)3級についても初任給基準を持たない職務の級であるから、1級及び2級の改定との関連で最低限の改定を行ったものと考えられる。
全人モデルにより改定されたのは、教(三)3級の1号俸から4号俸までで、各200円の改定額となっている。2級との並びで単純に考えれば1号俸で700円の改定があってもよさそうなものだし、行(一)3級の初号の改定を考えると300円から400円の改定額でもよさそうなものである。4つの号俸すべてについて200円という申し訳程度の改定額が並んでいる形になっている。
 何故であろうか。行(一)で考察した手順に従って、考えてみよう。

 教(三)3級は、標準職務表でいえば「教頭」の職務であり、詳細は省くが、俸給制度上、基本的には行(一)の4級(旧6級)から7級(旧9級)にブリッジしていると考えていい。ということは、「行(一)との均衡を基本」に考えるならば、教(三)3級は、行(一)1級及び2級との関連で最低限の改定を行った3級ではないのだから、原則的には改定の必要はない職務の級ということになる。ところが、実際には改定されている。
 次に、俸給制度上の年次を確認してみると、教(三)3級の1号俸から4号俸までは大卒経験年数11年になることから、行(一)との均衡でいえば、若年層の改定を及ぼす最終の年次になる。
 では、昇格対応関係を検討してみる。教(三)については、3級以上が一定額加算昇格制度のメリットを受ける職務の級であり、そのメリットは10,000円であった。
    昇格前2-49(改定後)276,300円+10,000円=286,300円
    3級初号 3-1(改定前)286,100円→(改定後)286,300円
 こうして見てみると、わずか200円の改定額ではあるが、3級昇格時のメリット10,000円を確保するためには必要な最低限の改定であることが分かった。

 以上、旧教(二)(三)全人連モデルの本年の改定内容を確認してきたが、「行政職俸給表(一)との均衡を基本に改定」されていたことが分かった。それと同時に、若年層に限定した検証ではあるが、基本的には俸給制度表に基づく格合わせ方式が有効であることが確認されたと思う。
 ただ、平成8年に実施された旧教(二)(三)の号俸間引きについては、号俸間引き前ではなく、号俸間引き後で行(一)との均衡が考えられていた。この点、平成18年4月改定の全人連モデルで、従前どおり号俸間引き前で行(一)との均衡が図られていたのとは異なった対応となっている。考えられる理由とすれば、すべての号俸にわたって改定を行った平成18年4月改定では、号俸間引きによるメリットを受けていない高齢層が実在していることを考慮したものであろう。逆に、本年の改定は初任給を中心に若年層に限定した改定を行ったものであり、号俸間引き後で行(一)との均衡を図ることが適当と考えられたのだろう。


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145.19年4月改定全人連モデル(その6) [18.19年4月改定]

 更に上位の号俸については、前に考察したとおり、行(一)では1号俸上がるごとに100円づつ逓減していく手法をとっていき、最後の号俸は200円のままとし、俸給制度表で見て大卒経験年数12年以上は改定なしとなっていた。
 <100円づつ逓減していく改定額となっている号俸>
   行(一) Ⅱ種     教(二) 教諭      教(三) 教諭
 1-49 2,000円  2-25 2,300円  2-37 2,300円
 1-50 1,900円  2-26 2,200円  2-38 2,200円
 1-51 1,800円  2-27 2,100円  2-39 2,100円
      …            …            …     (+14号俸)
 1-65   400円  2-41   700円  2-53   700円
 1-66   300円  2-42   600円  2-54   600円
 1-67   200円  2-43   400円  2-55   400円
 1-68   200円  2-44   200円  2-56   200円
 1-69     0円  2-45     0円   2-57     0円(大卒経験12年)
 教(二)(三)2級の100円づつ逓減していく改定額となっている号俸の幅についても、行(一)と同様の考え方であることが分かるであろう。もちろん、教(二)(三)1級についてもこの点は同様である。ただ、初任給の改定額が300円(1級は200円)高い分、最後のところの改定額が少し違っているだけである。

 これまで見てきたが、けっこう単純に行(一)の改定手法を当てはめているようである。行(一)以外の改定方針は、「行政職俸給表(一)との均衡を基本に改定」であるのだから、当然ではある。その他の俸給表についても概観してみたが、同じような改定手法であった。


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144.19年4月改定全人連モデル(その5) [18.19年4月改定]

 前回まで、行政職俸給表(一)の19年4月較差改定の内容を考察してきた。今回からは、本年のいわゆる全人連モデルの改定内容を確認していきたいと思う。

 まず、初任給の改定を確認してみよう。
 <大学卒初任給の行(一)と教(二)(三)の対比>
  行(一)Ⅱ種(大卒)1-25 2,000円(1.2%)の改定 170,200円→172,200円
  教(二)講師(大卒)1-21 2,200円(1.2%)の改定 187,100円→189,300円
  教(三)講師(大卒)1-21 2,200円(1.2%)の改定 187,100円→189,300円
  教(二)教諭(大卒)2-1  2,300円(1.2%)の改定 190,500円→192,800円
  教(三)教諭(大卒)2-13 2,300円(1.2%)の改定 190,500円→192,800円
 <高校卒初任給の行(一)と教(二)(三)の対比>
  行(一)Ⅲ種(高卒)1-5  1,700円(1.2%)の改定 138,400円→140,100円
  教(二)助教諭(高卒)1-1 1,800円(1.2%)の改定 147,000円→148,800円
  教(三)助教諭(高卒)1-1 1,800円(1.2%)の改定 147,000円→148,800円
 教(二)(三)の初任給の改定に当たっても、行(一)の初任給の改定率1.2%と同じ改定率であることが分かる。改定額ではなく、改定率を合わせることで、従前の職種間の均衡を確保ししているのである。

 次に、若年層の改定を確認しよう。行(一)の改定では、まず、「大卒経験年数6年までは一律2,000円のアップ」という内容であった。教(二)(三)の改定モデルについても同じ考え方を採用したと考えられるので、この点を確認してみよう。
 <初任給と同額の改定額となっている号俸>
   行(一) Ⅱ種     教(二) 教諭      教(三) 教諭
 1-25 2,000円  2-1  2,300円  2-13 2,300円 …大卒初任給
   (+24号俸)     (+24号俸)     (+24号俸)   …経験6年分
 1-49 2,000円  2-25 2,300円  2-37 2,300円
 1-50 1,900円  2-26 2,200円  2-38 2,200円
 教(二)(三)2級の初任給と同額の改定額となっている号俸の幅についても、行(一)と同様の考え方であることが分かった。教(二)(三)1級についても同様である。


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143.19年4月改定全人連モデル(その4) [18.19年4月改定]

 行(一)3級は、標準職務表で言えば、「本省の係長級」の職務である。そのため、1級及び2級の改定内容との関連で、最低限の改定に止めたようである。その内容をみていくと、3級の初号は1,800円の改定であり、改定の及んでいる号俸は16号俸までとなっている。
 これを俸給制度表で考えてみる。3級は、給与構造改革により旧4級と旧5級が統合された職務の級であるが、旧4級の制度上の年次は、大卒経験6年の28歳からスタートしている。しかし、給与構造改革で旧4級初号はカットされたため、3級初号の制度上の年次は、大卒経験7年の29歳としなければならない。こうしてみると、改定を及ぼす号俸の範囲は、1級及び2級の俸給制度上の年次と一致することになる。しかし、3級初号の改定額が1,800円であるのに対して、同年次の1級及び2級の号俸の改定額は1,600円となっており、一致していない。これをどう理解すればいいのだろうか。
 ところで、3級(旧4級・旧5級)は「本省の係長級」であり、改革前の昇格制度で言えば、1号上位昇格制度の対象となる職務の級である。つまり、3級に昇格する場合には、1号上位昇格制度の経緯を踏まえた一定額加算昇格制度が採用されており、初号付近の昇格対応関係は、俸給制度上の年次を1年前倒しする必要がある。
 3級の改定内容を2級からの昇格対応関係で考えてみると、改定を及ぼす号俸の範囲については、当然のことながら4号俸分少なくなっているが、3級初号の昇格前の2級17号俸の改定額は2,000円であるのに対して、3級初号は1,800円に止まっている。
 これをどう見るかであるが、そもそも今回の3級の改定額は、1級及び2級との関連で最低限に止める趣旨であるならば、2,000円にしなければならない理由はない。少なくとも一定額加算制度の昇格メリットは確保しなければならないだろう。
 この昇格メリットをいくらの額に設定しているのか、人事院は明らかにしていない。したがって、逆算して想像するしかない。紙幅の関係で詳細は省略するが、3級の昇格メリットはおそらく8,000円程度であると考えられる。
 以上のことを勘案すると次のようになる。
 <3級初号の改定額の検討>
  昇格対応から 昇格前2-17改定後214,600円+8,000円=222,600円
  俸給制度から 3-1 改定前221,100円+1,600円=222,700円
  実際の改定額 +1,800円=222,900円
 こうみると、別に改定額は制度上の同年次の改定額である1,600円であっても、昇格時に加算すべき一定額の8,000円は確保できてはいる。しかし、見方を変えれば改定前の昇格時のメリットが一気に400円目減りしてしまうことになる。従って、両者-2,000円と1,600円-の中間である1,800円としたのであろうか。
 3級の初号付近をよく見ると、1号俸から3号俸までは同額の1,800円の改定となっている。3-3に対応する昇格前の2-19の改定額を見ると、同額の1,800円の改定となっている。もしかすると、3-1と3-2の改定額は値切ったのかもしれない。人事院は官民較差をピッタリ埋め合わせ、1円の積み残しも残さないよう微調整をすることを聞いたことがある。改定の基本の考え方はしっかりと確保しながら、全体への影響を考慮しながら、要するに鉛筆をなめるところがあるのだろう。この辺りは想像の域を出ず、やはり、人事院に聞いてみないと分からない。


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142.19年4月改定全人連モデル(その3) [18.19年4月改定]

 今回は、若年層の改定の及ぶ号俸の幅と給与構造改革による給与カーブのフラット化との関係を確認しておきたい。
 給与構造改革による給与カーブのフラット化は、「給与構造改革と俸給表の改定」について考察した際にも書いたが、「若手の係員層については引下げを行わず、中高齢層について7%引き下げる」ものであった。
 本年の人事院勧告で俸給月額の改定対象となった行政職俸給表(一)の1級から3級までについて、給与構造改革における改定率を再確認しておこう。
 <行(一)の18年4月改定率>
  職務の級       改定率の幅(%)
  1級(旧1・2級)   0.0~0.0
  2級(旧3級)     0.0~△2.0
  3級(旧4・5級)   △2.0~△7.0

 詳細は省くが、若年層の改定を俸給表に及ぼした範囲を考えてみると、給与構造改革による給与カーブのフラット化の影響範囲とは直接関係してはいないようである。端的には、3級の改定に現れている。例えば、3級の初号については、旧4級2号俸225,500円を給与構造改革により4,400円減額して221,100円(△2.0%改定)としたにもかかわらず、本年の勧告では1,800円増額して222,900円(0.8%改定)としている。少し下げすぎてしまったので、微修正したかのような感じを受ける。
 同じ「中高齢層」という表記を使ってはいるものの、実際の改定内容をみれば、18年4月改定と19年4月改定では相違があるということである。

 それでは、次に3級の改定内容を考察していかねばならない。
3級といえば、行政職俸給表(一)級別標準職務表でいえば「本省、管区機関又は府県単位機関の係長又は困難な業務を処理する主任の職務」である。そのため、3級については、1級及び2級の改定内容との関連で、最低限の改定を行っているようである。
 具体的な考察は、次回に譲りたい。


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141.19年4月改定全人連モデル(その2) [18.19年4月改定]

 平成19年人事院勧告による行政職俸給表(一)の改定内容を確認していきたい。
 今回は、「民間との間に相当の差が生じている初任給を中心に若年層に限定して改定」が行われた。初任給の改定は次のとおりとなっている。
   Ⅱ種(大卒)1-25 2,000円(1.2%)の改定 170,200円→172,200円
   Ⅲ種(高卒)1-5  1,700円(1.2%)の改定 138,400円→140,100円
 Ⅰ種(大卒)については、Ⅱ種(大卒)に準じた2,000円の改定となっている。従来からⅠ種の初任給とⅡ種の初任給の旧2号上位の号俸は同額としていることも理由の一つと思うが、金額で合わせている。
   Ⅰ種(大卒)2-1  2,000円(1.1%)の改定 179,200円→181,200円

 次に若年層の改定を見てみる。改定の考え方は、「初任給の改定に準じた改定」である。
 Ⅱ種(大卒)1-25より若い号俸については、すべての号俸が1.2%の改定となっており、改定率を合わせている。ちなみに、1-1は、1,600円(1.2%)の改定である。
 Ⅱ種(大卒)1-25より上位の号俸を見ていくと、1級では49号俸まで、2級では17号俸まで初任給の改定額と同額の2,000円の改定となっている。当然、改定率は下がっていくことになる。これを、俸給制度表で確認すると、大卒経験年数6年までは一律2,000円のアップということになる。
 更に上位の号俸は、1号俸上がるごとに100円を減額している。そして1-67、2-35まで順次減額し、最後の1-68、2-36は1-67、2-35と同額の200円となっている。俸給制度表で見ると、大卒経験年数12年以上は改定なしとなっている。
 大卒経験11年までといえば、制度年齢でみれば33歳までということになる。人事院勧告では、「中高齢層については改定を行わない」と報告しているが、その理由として、「中高齢層については、給与構造改革において、民間の給与水準を踏まえつつ、給与カーブをフラット化するため、俸給水準の引き下げが段階的に実施されている」ことを挙げている。俸給表の改定の考え方には、「民間との均衡」が基本となろうが、人事院のこの書きぶりからすれば、いわゆる現給保障の対象となっている中高齢層は、まだまだ民間より高い水準だと指摘しているようにも聞こえる。
 この辺りはどうなっているのか、次回見ていきたい。


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140.19年4月改定全人連モデル(その1) [18.19年4月改定]

 全国の都道府県において、ようやく人事委員会勧告が出始めたようである。
 例年のことだが、人事院勧告に準じた給料表の改定を勧告している県が多いが、公立学校の校長及び教員に適用される給料表については、全国人事委員会連合会が作成した教員給与に関する「参考モデル給料表」(平成19年4月較差改正)を妥当なものとして、これに基づく給料表の改定を勧告している。
 この学習ノートは、「旧教育職俸給表(二)(三)はどうすれば作成できるのかという疑問を出発点」として、いわゆる全人連モデル給料表(平成18年4月制度改正)の理解から始めている。本年の給料表の改定は、若年層に限定したものであるため、給料表全体の作成方法の検証はできないが、以前このノートで考えてきた手法が正しいのかどうか、改めて確認しておきたいと思う。
 そのためには、まず、本年の人事院勧告を見ておかなければならない。

 人事院は、本年8月8日に、平成19年4月の国家公務員一般職給与(行政職)について、民間給与との較差(1,352円、0.35%)を埋めるため、初任給を中心に若年層に限定した俸給月額引き上げなどを勧告した。概要は次のとおりである。
 <俸給表改定の考え方> 「人事院勧告の概要」から
  初任給を中心に若年層に限定した改定(中高齢層は据置き)
  ① 行政職俸給表(一)
    改定率1級1.1%、2級0.6%、3級0.0%。4級以上は改定なし
    初任給 Ⅰ種181,200円(現行179,200円)
          Ⅱ種172,200円(現行170,200円)
          Ⅲ種140,100円(現行138,400円)
  ② その他の俸給表行政職俸給表(一)との均衡を基本に改定(指定職俸給表等を除く)

 次回は、行政職俸給表(一)の改定内容をもう少し分解しながら見ていきたい。


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