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273.22年俸給表改定(その7) [34.22年俸給表改定]

 前回のノートで、「特2級最高号俸の俸給月額に教職調整額を加算した額と3級最高号俸の俸給月額を比較してみると、旧教(三)については、両者の額が逆転している」ことを指摘した。
 今回は、この額に義務教育等教員特別手当を加算して比較するとどうなるのかを考えてみたい。 平成20年の特2級創設時→平成21年改定→平成22年改定の順に推移を見ていくことにする。(俸給表の改定時期と義務教育等教員特別手当の改定時期とはズレがあるが、近い時期で合わせることとする。)

<旧教(三) 特2級最高号俸=109号俸>
          特2級創設→21年改定→22年改定
 俸給月額(A) 428,300円→427,500円→426,900円
 教職調整(B)  17,132円→ 17,100円→ 17,076円
 A+B(C)   445,432円→444,600円→443,976円
 義教手当(D)  14,500円→ 10,700円→ 7,300円
 C+D     459,932円→455,300円→451,276円

<旧教(三) 3級最高号俸=93号俸>
          特2級創設→21年改定→22年改定
 俸給月額(E) 438,100円→437,000円→436,300円
 加算額(F)   7,500円→ 7,500円→ 7,500円
 E+F(G)   445,600円→444,500円→443,800円
 義教手当(H)  15,100円→ 11,100円→ 7,500円
 G+H     460,700円→455,600円→451,300円

 本俸的給与(特2級については、俸給月額+教職調整額=(C)。3級については、俸給月額+3級加算額=(G))でもって両者を比較すると、既に平成21年改定から逆転が始まっている。 しかし、義務教育等教員特別手当が教員の給与水準を引き上げるために創設された経緯を踏まえて、当該手当を加算した額をもって特2級と3級を比較することが許されるとするならば、特2級の改定額を△500円のところ、△600円としたことによって、かろうじて逆転現象を回避できたことになっている。 特2級の創設時点における3級の特2級に対する優位性は、そもそも768円に過ぎなかったのであるが、平成21年改定によって300円に縮まり、更に平成22年改定によって24円になってしまったのである。
 前回のノートで述べたことの繰り返しになるのだが、最高到達水準という観点から、特2級と3級を比較したとき、本俸的給与は、3級の方が176円低いのであった。 月例の給与でもって比較すると、基本的給与は3級の方が24円低いが、管理職手当の支給によって3級の方が高くなる。 しかしながら、期末手当及び勤勉手当へのはね返りを考えると、特2級と3級の役職段階別加算割合はいずれも10%である(副校長を除く。)ことから、ここでも3級の方が低くなるのであった。 しかも、退職手当にも影響するのである。 この状況は、職務給の観点から問題があるのではないだろうか。 

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272.22年俸給表改定(その6) [34.22年俸給表改定]

 さて、今年も政令市人事委員会から勧告が出始めた。 各県人事委員会の勧告はこれからだが、小中学校教育職給料表等については、おそらく例年どおり全人連モデルに準じて改定するところが多いと思われる。
 今年の全人連によるモデル給料表については、9月当初に各県人事委員会に送付され、9月7日ごろまでには教職員組合に対しても提示されたようである。 某県教職員組合では、その内容を公表している。

 ところで、前回までのノートで、旧教(二)(三)の改定に当たっての論点を示しておいた。一つは、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の対象となる行政(一)6級に相当する旧教(二)(三)の職務の級は何級か、二つ目は、引き下げの対象とする「40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸」に関して、特2級以上の職務の級は何号俸以上と見るのか、三つ目は、行(一)との均衡を考慮して行う旧教(二)(三)の各号俸の具体的な改定手法は、教(一)の改定手法と同じになるであろうということであった。
 以下、この点について、モデル給料表によって確認していきたい。

 まず、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の対象となる行政(一)6級に相当する職務の級については、以前の考察で、役職段階別加算割合が15%以上である職務の級ではないかという仮説を示しておいた。 モデルによって示された行政(一)6級に相当する旧教(二)(三)の職務の級を確認すると、いずれの俸給表も4級であった。 ただ、全人連から委託を受けた人事行政研究所が説明しなかったからだろうと推測するが、残念なことに、理由は示さず答えだけを勧告したものとなっている。

 次に、引下げの対象とする「40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸」について、以前の考察では、平成21年改定において特2級の制度年齢30歳の位置を昇格対応関係で作成すると「1年遅れ」となったことをどのように考えるのだろうかとの疑問を示しておいた。 この点については、平成21年改定と異なり、昇格対応関係から得られた特2級初号の制度上の位置をもって制度年齢40歳に当たる号俸以上の号俸が今回の引下げ改定の対象となっていた。 なぜ昨年と違うのかについては分からないが、毎年の改定方法を毎回追いかける中で、人事院のノウハウを推定していくしかないだろう。

 3点目の行(一)との均衡を考慮して行う旧教(二)(三)の各号俸の具体的な改定手法については、予想どおり、教(一)の改定手法と基本的には同じであった。 ただし、詳細に見ていくと、特2級の最高号俸付近の改定額が更に100円低い額になっている。 旧教(二)は105号俸(改定前446,500円)以上の号俸、旧教(三)は105号俸(改定前425,300円)以上の号俸について、何もなければ△500円とすべきところを、敢えて、△600円としているようなのである。 旧教(二)と旧教(三)では改定額の境目となる俸給月額はまったく違った金額であるが、号俸の制度上の位置は同じとなっている。 いったいどうしてなのだろうか。 その他の俸給表を見ても、このような号俸は存在しない。 特2級の号俸だけをどうしてこのように調整するのだろうか。 これについても、モデルは理由を示してはいない。 
 通常、俸給表を改定する際には、改定の基本方針に従って改定額を置いた後、昇格対応関係の双子三つ子の位置がずれないように配慮する。 しかし、号俸4分割後の俸給表の改定に当たっては、改定後の俸給表で原則どおりの昇格対応関係を確認してみて多少のズレが生じても、昇格加算額のない職務の級への昇格の場合を除いて、昇格時号俸対応表を改定しないこととなっている。 したがって、今回の改定でズレが更に広がることになるとは思うが、どのように取り扱われるのかは、人事院規則の取扱いが明らかになるのを待たなければならない。 しかし、旧教(二)(三)については、他の俸給表にない制度上の論点がある。 すなわち、教職調整額と3級加算額の存在である。
 そこで、特2級最高号俸の俸給月額に教職調整額を加算した額と3級最高号俸の俸給月額を比較してみたいと思う。

<旧教(二) 特2級最高号俸vs3級最高号俸>
  特2級109号俸 448,900円×1.04=466,856円
            →448,300円(△600円)×1.04=466,232円
  3級  77号俸 466,500円+7,700円=474,200円
            →465,800円(△700円)+7,700円=474,200円
<旧教(三) 特2級最高号俸vs3級最高号俸>
  特2級109号俸 427,500円×1.04=444,600円
            →426,900円(△600円)×1.04=443,976円
  3級  93号俸 437,000円+7,500円=444,500円
            →436,300円(△700円)+7,500円=443,800円
 
 これを見れば明らかなように、旧教(三)については、平成21年改定において既に両者の逆転は始まっていた。 特2級の改定率よりも3級の改定率の方がより厳しいマイナス改定率となっていることから、このような状況になるのは当たり前なのであった。 特2級の水準を2級と3級の中間水準に設定することとして創設されたはずであるのに、この間の改定によって、崩れているのである。
 このような退職手当を含む諸手当の基礎となるべき本俸的給与が逆転する状況は、俸給制度の在り方として望ましいものとは言えないはずである。 元々、旧教(三)の2級と3級の水準差が小さいところに、特2級を割り込ませたことから、無理が生じたのであろうと思う。 昇格時に逆転が生じる場合には、3級加算額を増額して調整する手法が従来から存在するのだが、最高到達号俸の水準が逆転するのはどうであろうか。 おそらく、人事行政研究所も分かっているはずである。 だからこそ、改定額△500円のところ更に△100円し、△600円とすることでもって、逆転による影響を少しでも縮小しようとしたのではないのだろうかと思うのだが…。
 ただ、各県の小中学校教育職給料表は、過去の経緯から、3級の号給を延長している場合がある。 特2級の最高号給はモデルどおりで、3級の最高号給を延長している場合には、前記の逆転問題は生じない。 3級の号給延長をせず、全人連のモデル給料表どおりとしている県は、何か手立てを講じるのであろうか、それともこの問題を放置するのであろうか…。

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271.22年俸給表改定(その5) [34.22年俸給表改定]

 前回の記述に誤りがあったので、訂正しなければならない。
 (誤)
  ア 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同年次同額改定)
    専門、税務、公安(一)、公安(二)
  イ 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同率改定)
    海事(一)、教育(一)、研究、福祉
 (正)
  ア 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同年次同額改定)
    税務、公安(一)、公安(二)
  イ 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同額同率改定)
    専門、海事(一)、教育(一)、研究、福祉

 昨年の改定方法の単純さと比較すると、今年はどうして3つの方法に分かれているのか。このうち、ウの海事(二)、教育(二)、医療(二)及び医療(三)、前回のノートで、「50歳台後半層に対する抑制措置の効果がないことから、減額改定の効果を広く薄く及ぼすことで、他の俸給表における削減効果に近づけようとしたのではないか」との仮説を述べた。その後も、どうして、アとイで改定方法を変える必要があったのかをずっと考えている。
 俸給表の構造に着目すれば、アの税務、公安(一)及び公安(二)は、行(一)と同じか、比較的行(一)に近いものとなっている。これに対して、イの専門、海事(一)、教育(一)、研究及び福祉については、行(一)と比べて職務の級の数が少なく、俸給表の構造や水準が特殊なものとなっている。沿革的に言えば、専門、海事(一)、教育(一)、研究の俸給表については、いずれも平成8年の号俸間引きの措置を受けている。(福祉職俸給表は、平成11年勧告で新設された。)
 それでも、アとイの改定手法を変えた理由は分からない。アを同年次同額改定としたのは、「昨年の改定手法=同額同率改定では均衡が図れない」と考えたのは、なぜなのか。「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」が講じられる中で、「40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸」についてマイナス改定するために、何か技術的な問題があるのだろうか。
 一般的に、俸給表の改定手法には、額による方法と、率による方法がある。同額でベースアップすれば、昇給カーブはフラット化する。同率でベースアップすれば、昇給率に変化はないことになる。行(一)と各特別俸給表との均衡を基本としながら、昇給カーブを変化させようとするならば、一般的には同年次の号俸は同率で改定することになるのではないかと思う。そうすれば、俸給表間の相対関係は対比率において変化はないことになる。ところが、税務、公安(一)及び公安(二)については、同年次の号俸を同額のマイナス改定としたのである。言い換えれば、改定額を更に100円引下げる号俸の位置は、行(一)において40歳台の職員が受ける号俸から数えた号俸数と同じ号俸数を数えた位置の号俸なのである。つまり、俸給制度としては、両者の相対関係は絶対額において変化させないこととした訳である。
 実は、より詳細に見ていくと、税務、公安(一)及び公安(二)の場合には、行(一)5級相当以下においては今述べた方式、行(一)6級相当以上の改定額の境目は、同額の号俸となっている。
 結局、△0.1という小さな改定率の中での具体的な改定額の配分となってくると、0.1未満の誤差といってもかまわないぐらいのレベルなのかもしれない。やはり、人事院に聞いてみなければ、分からないということか…。

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270.22年俸給表改定(その4) [34.22年俸給表改定]

 次に、行(一)以外の特別俸給表の改定手法は、どんな形であろうか。
 人事院の報告では、「行政職俸給表(一)以外の俸給表についても、行政職俸給表(一)との均衡を考慮して、俸給月額の引下げ改定を行うものとする」とされているだけである。昨年の報告であれば、「行政職俸給表(一)との均衡を基本に」としている箇所を「行政職俸給表(一)との均衡を考慮して」と表現を微妙に変えている。
 引き下げの対象とする「40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸」については、行(一)の考え方と基本的には同じ手法により、設定しているようである。(俸給表によっては微修正をしている。)
 具体的な改定額と改定率を見ていくと、俸給表ごとに様相が異なる。
  ア 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同年次同額改定)
    専門、税務、公安(一)、公安(二)
  イ 行政(一)の改定に準じて改定している俸給表(同率改定)
    海事(一)、教育(一)、研究、福祉
  ウ 行政(二)の改定に準じて改定している俸給表
    海事(二)、教育(二)、医療(二)、医療(三)

 アの専門、税務、公安(一)及び公安(二)については、俸給表の構造が行(一)と同じか、比較的行(一)に近いということなのではないかと思われる。
 イの海事(一)、教育(一)、研究及び福祉については、行(一)と比べて職務の級の数が少なく、俸給表の構造や水準が特殊なものだからではないかと思われる。
 ウの行政(二)、海事(二)、教育(二)、医療(二)及び医療(三)の各俸給表について見ていくと、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の対象となる行政(一)6級相当以上の俸給表が存在しない俸給表(行政(二)・海事(二)・教育(二))であるか、行政(一)6級相当以上の俸給表が存在しても当該職務の級に在級している職員数が数人であって当該俸給表適用職員数の2%にも満たない俸給表(医療(二)・医療(三))であるかの、いずれかであった。 詳細は省略するが、これらの俸給表については、改定率を△0.1%としつつも、マイナス改定額を厚めに配分したものとなっている。 おそらく、50歳台後半層に対する抑制措置の効果がないことから、減額改定の効果を広く薄く及ぼすことで、他の俸給表における削減効果に近づけようとしたのではないかと思われる。

 さて、旧教育(二)・旧教育(三)モデル俸給表の改定は、どのような姿になっていくのであろうか。 基本的には、行政(一)の考え方と同じ手法でもって改定することとなるだろうが、より具体的には、教育(一)の改定に準じて行われることになるのではないか、と思っている。 ただ、平成21年改定において特2級の制度年齢30歳の位置を昇格対応関係で作成すると「1年遅れ」となったことについて、今回の改定においては、全人連はこのことをどのように考えるのだろうか。これも、全人連から示されるモデル改定案を待たなければならない。

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269.22年俸給表改定(その3) [34.22年俸給表改定]

 前々回、平成22年の人事院勧告による俸給表の改定内容については、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の関係で、昨年と比べて複雑になっているのではないか、ということに言及しておいた。
 今回以降は、俸給表の改定手法を取り上げて、考察する。

 まずは、基本となる行(一)の改定手法はどのようになっているのであろうか。勧告から、改定方針を述べた箇所を引用する。
 
 「(行政職俸給表(一))
 民間との給与比較を行っている行政職俸給表(一)について、(ア)の措置(「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」のこと。=編注)による解消分を除いた残りの公務と民間の給与差と同程度の平均0.1%の引下げ改定を行うこととする。 改定に当たっては、民間の給与水準を下回っている30歳台までは据え置くこととし、40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸を対象として引き下げるものとする。」

 それでは、実際に行(一)の改定内容を確認すると「40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸」は、次のようになっていた。
   職務の級    号俸
     1級   対象となる号俸なし
            ※制度年齢39歳で頭打ちになっている。
     2級   65号俸以上の号俸
     3級   49号俸以上の号俸
     4級   33号俸以上の号俸
     5級   25号俸以上の号俸
     6級   17号俸以上の号俸
     7級   5号俸以上の号俸
これらの号俸は、Ⅱ種(大学卒)の初任給となる号俸を基準として、俸給制度表を作成した場合に、制度上40歳となる号俸以上の号俸が設定されている。また、これらの号俸は、平成12年勧告で改定対象とされた制度上30歳の号俸を設定した場合の考え方と同じであり、制度年齢30歳の号俸数にちょうど40(4×10年)を加算した数の号俸となっている。

 次に、具体的な号俸ごとの改定額・改定率を確認して見る。そうすると、概ね、2級~6級は△200円~△500円で0.1%、7級~10級は△300円~△900円で0.2%となっている。人事院勧告の説明では、「平均0.1%の引下げ改定を行う」としているものの、実際の改定内容は、昨年の改定に準じて、7級以上の改定率が0.1%厳しくなっている。
 更に、具体的な改定手法を見ていくと、これも昨年とは違って、6級以下と7級以上で改定手法を変えているように思う。
<6級以下の号俸の改定>
 改定額△200円から始まり、100円単位で減額し、最大△500円までとなっている。
  俸給月額    改定額
  361,600円以下 △200円
  361,700円以上 △300円
  385,500円以上 △400円
  397,800円以上 △500円
<7級以上の号俸の改定>
 改定額△300円から始まり、100円単位で減額し、最大△900円までとなっている。
改定額△500円までは、1号俸上がるごとに△100円して△600円につなげている。
改定額△600円以上は、改定率が△0.2%より下がらないように改定額を設定している。

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268.22年俸給表改定(その2) [34.22年俸給表改定]

 前回から、今年の人事院勧告による「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の対象となる職員について、すなわち、特別俸給表について、行(一)5級に相当する職務の級をどの様に決めたのかについての考察を始めた。

 今回は、役職段階別加算割合でもって比較するとどうなるかを試してみた。 その結果、対象外の職務の級は、いずれの俸給表においても、10%以下の加算割合であった。 研究についても、他の俸給表と同様に、10%と15%が分かれ目であった。
 ここまできれいに一致すると、逆に不安になるので、参考までに級別資格基準で比較を試みた結果、減額対象となる行(一)6級、専門4級、税務6級、公安(一)7級、公安(二)6級、海事(一)、福祉5級のいずれもが大学卒15年の経験年数を必要とする職務の級であった。 その他の俸給表については、人事院規則では「別に定める」となっている。 教育(一)については、昭和39年給実乙第74号の趣旨が生きているとするならば、「大学等の教授」に適用される職務の級の必要経験年数は、大学卒16年となっている。 残りの俸給表は手元に資料がないので該当級の初号の制度位置を確認すると、大学卒15年~17年であったので、概ね均衡が図られていると見てよいものと思われる。

 旧教(二)(三)については、おそらく全人連からモデルが示されることになるのだろうが、以上の考察を踏まえて、少し考えてみたい。
 旧教(二)(三)の職務の級ごとに、役職段階別加算割合と級別資格基準を示すと、次のとおりとなる。
 <旧教(二)>
  4級  15%(人事院が別に定める職員20%)  大学卒25年
  3級  10%(※人事院が別に定める職員15%) 大学卒16年
  特2級 10%                 大学卒7年
 <旧教(三)>
  4級  15%(人事院が別に定める職員20%)  大学卒24年
  3級  10%(※人事院が別に定める職員15%) 大学卒11年
  特2級 10%                 大学卒7年
  ※3級の役職段階別加算割合15%は、副校長の職が法人化前に法制化されていたとしたならば、おそらくこのような規定方法であったろうと思われる。

 さて、これを見るとどうであろうか。人事院による改定内容を踏まえると、旧教(二)、旧教(三)とも、3級以下は行(一)5級に相当する職務の級と考えられ、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」の対象外となりそうである。旧教(二)3級の級別資格基準が、大学等の教授に適用される教育(一)4級と同じく「大学卒16年」となっていることが少し気にかかるが、その点は、実際に全人連からどのようなモデルが示されることになるのか、注目したい。

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267.22年俸給表改定(その1) [34.22年俸給表改定]

 去る8月10に人事院から平成22年の給与勧告があったことは、前回、トピックで紹介したとおりである。
 今年の給与勧告の特徴の第一は、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」であろう。 人事院は、当初、その年代層でもって官民格差のすべてを解消したいと公務員労組に提案していたのだが、最終的には、対象を行(一)6級以上に絞り込むこととし、その代わり、残りの較差については、40歳台の職員が受ける号俸以上の号俸を対象に俸給表をマイナス改定することになった。 そのため、改定内容を考察していくと、昨年度の改定に比べて複雑なものとなっている。
 まず、「50歳台後半層の職員の給与の抑制措置」について、考察する。

 この抑制措置の考え方を理解するために、人事院の報告から該当部分のうち直接方針を説明している箇所を抜粋しておく。

 「55歳を超える職員(行政職俸給表(一)5級及びこれに相当する職務の級以下の職員、医療職俸給表(一)適用職員、指定職俸給表適用職員、再任用職員、任期付研究員並びに特定任期付職員を除く。)に対する俸給月額の支給に当たっては、当分の間、その者が55歳に達した年度の翌年度から、当該職員の俸給月額に本年の官民較差を考慮して定めた100分の1.5を乗じて得た額に相当する額を当該俸給月額から減ずることとする。」

 教員給与の改定を考えるに当たっては、この抑制措置の対象外とする職員の俸給表及び職務の級をどのように決定したのかということが問題になる。 つまり、特別俸給表について、行(一)5級に相当する職務の級をどの様に決めたのか、何をもって比較し、均衡が図れるものと人事院が考えたのか、という問題である。
 対象外とする職員の俸給表及び職務の級は、勧告の1で明記されており、次のようになっている。
 (対象外とする俸給表)
  行(二)、海事(二)、教育(二)
 (対象外とする職務の級)
  行(一)  5級以下
  専門    3級以下
  税務    5級以下
  公安(一) 6級以下
  公安(二) 5級以下
  海事(一) 5級以下
  教育(一) 3級以下
  研究    4級以下
  医療(二) 5級以下
  医療(三) 5級以下
  福祉    4級以下

 手始めに、国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針別表と比較してみた。 結果は、概ね一致しているのだが、研究だけが1ランク上位の4級まで対象外としている。
 次に、昨年の俸給表改定において、行(一)7級相当以上の職務の級は、0.3%の引き下げ改定であったが、このライン(※今年の0.2%引き下げライン)と比較するとどうなるのか考察してみた。 すると、研究だけでなく、教育(一)、教育(二)も一致しないこととなった。 どうも、給与水準でもって、行(一)5級に相当する職務の級を決めた訳ではなさそうである。

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