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37. 旧教育職俸給表(二)1級(その9) [3. 旧教(二)1級]

 前回、教(二)1級の平均改定率の変化を見てきた。これをどう読み解くべきか。教(二)(三)2級との違いに注目しながら概観したい。
 まず、平成3年である。この年は、本省庁職員を念頭においた特別改善が実施された年であり、行(一)の平均改定率が教(二)(三)2級に対して0.5~0.6%高くなっていたのだが、教(二)(三)の1級に対しては、その特別改善効果が現れていない。その理由は、おそらく行(一)の特別改善というものが、俸給表におけるそれぞれ職務の級の初号付近を大きく改定し、峰渡りしてくキャリアたちを念頭において行われたものであろうことから、行(一)の2級から7級乃至8級までわたっている教(二)(三)2級との関係では、昇格メリット分として改善効果が現れたのであろうが、行(一)の1級から3級乃至4級までと考えられる教(二)(三)1級の場合には、行(一)の1級から3級までが初任給の水準に関係する職務の級であることから、教(二)(三)2級との関係のような改善効果が付けられなかったのであろうと推測する。
 次に、平成4年から平成8年までをどう見るか。教(二)(三)2級の場合は、平成4年度から漸進的に実施された1号上位昇格制度の導入に伴い、在職者調整を含む昇格改善効果について行政職との均衡に配慮し、最終的には号俸の間引きまで行われたのである。しかし、1号上位昇格制度は、行(一)4級相当以上に導入されたものであるから、教(二)(三)1級の場合にはほとんど関係ないのではなかろうか。にも関わらず、教(二)1級だけでなく、教(三)1級も含めて有利な改定が行われているではないか。5年間の改定率の優位差は、教(二)で1.2、教(三)で0.7にも及んでいる。むしろ、特に平成5年から平成8年までの改定率に注目して見ると、行(一)に合わせたというよりも、教(二)(三)2級に合わせたかのようになっている。詳細に見れば、各号俸への配分は1級と2級とでは全く違ったものになっている。なのに、号俸全体を平均すれば、その改定率というものは何故か同じになっているのである。行(一)との均衡に配慮しつつ教(二)(三)の部内均衡を重視した結果なのか、それは偶然の結果とはとても思えないのだが…。


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