443.昇格時号俸対応表の改正（続き） [37.昇格制度の見直し]
前回の続きです。
念のため、今回改正前の行(一)と教(二)の昇格時号俸対応表についても点検をしてみましたが、やはり、給与構造改革前の昇格制度を継承した手法により作成されていました。ルールどおり作成した結果、双子が増えたり、五つ子が六つ子になったりして、対応する号俸が１～２号俸下がったのです。
ここ数年の昇格時号俸対応表の改正は、ほとんど初任の級（行(一)では２級以下）への昇格の場合であり、いずれも対応関係が悪くなるケースではないかと思います。
ここ数年の俸給表の改定は、基本的には俸給カーブの更なるフラット化が徐々に進められていると言ってよいと思います。総合的な見直しも実施されましたが、ベースアップするときにも、若年層を手厚く引き上げて高齢層を若干の引上げに止めることで、基本的には俸給カーブの更なるフラット化にむかっています。
そうなると、号俸単位で見ていくと、俸給制度上の同年次の号俸を横に見ていったときの改定額がたとえ同額であったとしても、昇格後の職務の級における直近上位又は直近上位の１号俸上位の号俸の改定額は、通常制度上の年次が若返ることから、より高い改定額となっていることになります
つまり、俸給制度曲線を表すグラフを俸給月額を縦軸にして作成してみた場合、例えば、２級のカーブと１級のカーブの関係について、同じ俸給水準で見た場合に、２級のカーブのフラット化以上に１級のカーブのフラット化が進んでいることになります。グラフを見てみれば一目瞭然なのですが、その結果、フラット化を指向する俸給表の改定が行われると、従前の昇格制度を引き継ぐ限り、昇格時に対応する飛びつき先の号俸が不利になる方向に改正されてしまうのです。
今回の俸給表改定と昇格時号俸対応表改正の前後で昇格メリットがどのように変化したのかを確認してみました。
昇格時号俸対応表が改正されていない号俸の昇格メリットは、行(一)で±０円～＋400円、教(二)では、若い号俸では±０円～＋500円、中間の号俸では＋500年～700円となっています。一方、対応表が改正された号俸の昇格メリットは、行(一)で▲1,100円～▲2,700円、(二)では、若い号俸に続く号俸では▲1,100円～▲3,300円、上位の号俸では▲1,400円～▲1,700円となっています。
また、平均の昇格メリットを単純に計算して算出してみると、行(一)では改定前7,584円が改定後7,216円（▲502円）に、教(二)では改定前13,891円が改定後13,702円（▲583円）にいずれも下がっています。
これを制度上の当然の結果と受け止めるか、不利益変更と理解するのか、立場の違いがあるのかもしれません。
念のため、今回改正前の行(一)と教(二)の昇格時号俸対応表についても点検をしてみましたが、やはり、給与構造改革前の昇格制度を継承した手法により作成されていました。ルールどおり作成した結果、双子が増えたり、五つ子が六つ子になったりして、対応する号俸が１～２号俸下がったのです。
ここ数年の昇格時号俸対応表の改正は、ほとんど初任の級（行(一)では２級以下）への昇格の場合であり、いずれも対応関係が悪くなるケースではないかと思います。
ここ数年の俸給表の改定は、基本的には俸給カーブの更なるフラット化が徐々に進められていると言ってよいと思います。総合的な見直しも実施されましたが、ベースアップするときにも、若年層を手厚く引き上げて高齢層を若干の引上げに止めることで、基本的には俸給カーブの更なるフラット化にむかっています。
そうなると、号俸単位で見ていくと、俸給制度上の同年次の号俸を横に見ていったときの改定額がたとえ同額であったとしても、昇格後の職務の級における直近上位又は直近上位の１号俸上位の号俸の改定額は、通常制度上の年次が若返ることから、より高い改定額となっていることになります
つまり、俸給制度曲線を表すグラフを俸給月額を縦軸にして作成してみた場合、例えば、２級のカーブと１級のカーブの関係について、同じ俸給水準で見た場合に、２級のカーブのフラット化以上に１級のカーブのフラット化が進んでいることになります。グラフを見てみれば一目瞭然なのですが、その結果、フラット化を指向する俸給表の改定が行われると、従前の昇格制度を引き継ぐ限り、昇格時に対応する飛びつき先の号俸が不利になる方向に改正されてしまうのです。
今回の俸給表改定と昇格時号俸対応表改正の前後で昇格メリットがどのように変化したのかを確認してみました。
昇格時号俸対応表が改正されていない号俸の昇格メリットは、行(一)で±０円～＋400円、教(二)では、若い号俸では±０円～＋500円、中間の号俸では＋500年～700円となっています。一方、対応表が改正された号俸の昇格メリットは、行(一)で▲1,100円～▲2,700円、(二)では、若い号俸に続く号俸では▲1,100円～▲3,300円、上位の号俸では▲1,400円～▲1,700円となっています。
また、平均の昇格メリットを単純に計算して算出してみると、行(一)では改定前7,584円が改定後7,216円（▲502円）に、教(二)では改定前13,891円が改定後13,702円（▲583円）にいずれも下がっています。
これを制度上の当然の結果と受け止めるか、不利益変更と理解するのか、立場の違いがあるのかもしれません。
折角反応いただいたのに、気付くのが遅れてしまいましてすみません。
給与構造改革後の昇格制度の「一定額を加算」の考え方の理解が、私の中で不十分だったようです。
私の手元でも基幹号俸間で直近一号上位昇格させてみて（かつ、給与構造改革当時、今回人勧前、人勧後それぞれの俸給表で見比べてみて）、やっと腑に落ちました。
>これを制度上の当然の結果と受け止めるか、不利益変更と理解するのか、立場の違いがあるのかもしれません。
不利益変更と言われれば、確かにたまたま昇格した時期が異なることによって昇格以後退職に至るまでの俸給月額に影響が生じてくるわけで、不利になる本人からすれば（そこまで給与制度に精通した職員は少ないでしょうが）釈然としないものを感じるかもしれません。
また、
http://www.jinji.go.jp/kisoku/kaisei/kaisei_kisoku/fy2016/shinkyu_9-8-82.pdf
の表を見ると、行(一）、税（一）、公(二）のようにほとんど在職実態からして影響がないであろうと思われる俸給表もある一方、教（二）や研究職のように（これに準拠する独法なども考えあわせると）実態として相当の影響が生じそうなところも生じていますね。
どちらかというと級の少ない構成の俸給表では、級ごとの改定率（フラット化）の格差が大きくなるので問題が生じやすいのかもしれません。
給与構造改革時のスムーズな制度移行を主眼とした昇格時号俸対応表の設定方法を維持し続けることが果たして適当なのか（たとえば基幹号俸の考え方は、それによって不合理が生じるようであれば必ずしも維持しなくてもよいのではないか）、ということも人事院で検討してほしいものではあります。
by 一読者 (2017-01-20 14:52)