39. 旧教育職俸給表(二)1級(その11) [3. 旧教(二)1級]
前回、平成9年以降の教(二)1級の改定経緯を見た場合に、教(二)1級については、ほぼ毎回平均改定率が0.1高くなっており、行(一)1~4級よりも行(一)1~3級と合わせているのではないかとの疑問が生じた。これを確認するためには、各号俸レベルで見ていかなければ分からないだろう。しかし、紙幅の関係上、そのような細かな対応関係まではここでは書ききれない。
そこで、今まで行ってきたのと同じ手法で、行(一)との格合わせを行い、改定率に着目して考察した結果のみを書いていきたい。
<教(二)1級の改定率一致関係>
改定年 行(一) 教(二) 改定率の一致関係
1~4級 1級
9 1.0 1.1 1~5級と一致
10 0.7 0.8 1~5級と一致
11 0.3 0.3 1~5級と一致
14 -1.9 -1.8 1~3級と一致
15 -1.0 -0.9 1~3級と一致
17 -0.3 -0.3 全号俸-0.3
こうしてみると、教(三)1級が一貫して行(一)1~3級と合わせているのに対して、教(二)1級については、プラス改定の時には行(一)1級~5級と合わせ、マイナス改定の時には行(一)1級~3級と合わせているようなのである。何故なのだろうか? ただ、言えることは、教(二)1級については、一貫して有利な改定となるようにしているということである。
その理由を記述した資料を私は持ち合わせない。しかし、おそらく人事院は意図的にとうしてきたのであろうと思う。例えば、最高到達号俸の水準の変化を見ておこう。
<教(二)1級の最高到達号俸の水準の変化>
改定年 教(二)1-40 行(一)4-28 差引 優位率(号俸差)
2 329,700 339,700 -10,000 0.97(△4号俸程度)
8 368,200 372,200 -4,000 0.99(△2号俸程度)
17 360,300 363,200 -2,900 0.99(△1号俸程度)
教(二)1級の最高到達号俸の水準を限りなく行(一)4級に意図的に近づけていったとしか思えないのである。
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