147.トピック=教職調整額の行方(その1) [8.トピック]
文部科学省の平成20年度概算要求は、画期的な内容となっている。昨年度に実施された全国規模の教員勤務実態調査によれば、教員の月平均残業時間が34時間であったのだが、これを拠り所として、教員給与の改善や定数改善を要求したのである。もっとも、小泉内閣時代に閣議決定された骨太の方針2006に基づく教員給与の縮減分2.76%をまず減額した上での増額要求であるし、このところの報道では、経済財政諮問会議では教員の増員要求を認めない方向とのことであるのだが…
とりあえず、その概要を次に記載しておく。
(1) 基本方針2006に基づく教員給与の縮減分(2.76%)の減 ▲430億円
(2) メリハリのある教員給与として、
①副校長、主幹教諭、指導教諭の処遇 50億円
②部活動手当等の抜本的拡充 50億円
③教職調整額の見直し 700億円
合計370億円(4年計画で実施)、20年度概算要求89億円
その中で、給与制度としてまず気になるのは、教職調整額の見直しである。
報道によれば、主幹教諭等教員の定員増や外部人材の活用、事務処理の合理化などで、残業時間月平均34時間を17時間に半減した上で、必要な予算総額を確保する内容となっている。総額約12%を確保したということであるが、その内容は、まず、諸手当へのはね返り分を廃止した上で、標準を10%とし、勤務実態を勘案し休職者や長期研修者は0~数%、職務負荷を考慮して主任は2%プラス、主幹は4%プラスするというものらしい。
これに伴い、教職調整額の支給根拠となっている給特法(正式名称=公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和46年5月28日法律第77号))の20年春の改正が予定されている。
詳細は分からないが、給与制度として考えた場合、これだけの情報であっても、いくつか疑問が湧いてくる。次回に考えてみたい。
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