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206. 旧教(二)(三)3級の考察(その14) [25.旧教(二)(三)3級]

 給与構造改革前の俸給制度表を作成すると、旧教(二)(三)3級の最高号俸の大卒制度年齢については、56歳ではなく58歳となっている。(4級も同様の事情である。)
 つまり、俸給制度表で見た場合には、2級の最高号俸の位置よりも、2年分の俸給が飛び出した形となっているのである。その結果、号俸レベルでの行(一)との格合わせを行うと、対応させるべき行(一)9級の号俸が存在しないのである。
 なぜ、このような形となっているのであろうか。このテーマの最後に、その辺りの事情を考えておきたい。

 たぶん、そのヒントは、初任給基準表にあるのではないかと思っている。

 <旧教(二)初任給基準表>
  職種 学歴免許等  初任給
  教諭 博士課程修了 2級9号俸(次期6月短縮=特例)
      修士課程修了 2級5号俸
      大学卒     2級2号俸
      短大卒     1級4号俸(次期6月短縮)
 <旧教(三)初任給基準表>
  職種 学歴免許等  初任給
  教諭 博士課程修了 2級12号俸(次期6月短縮=特例)
      修士課程修了 2級8号俸
      大学卒     2級5号俸
      短大卒     2級2号俸(次期6月短縮)

大学卒を基準として、修学年数差と号俸差に着目して、この初任給基準表を作り替えてみる。
 <旧教(二)(三)初任給基準の差>
  職種 学歴免許等  修学年数差    号俸差
  教諭 博士課程修了 +5年(+3年) +7号俸6月(4号俸6月)
      修士課程修了 +2年       +3号俸
      大学卒     -          -
      短大卒     -2年        -2号俸6月

 これを見ると、修士課程修了の場合には、大学卒との修学年数差を1年につき部内経歴1.5年として評価していることが分かる。博士課程修了の場合も同様の評価を行っていることが分かる。(短大卒と大学卒との関係は、昭和46年の給与法の改正により、修学年数差1年につき部内経歴1.25年の評価に改正されている。)
 つまり、大学卒を基準に、修士課程修了については制度年齢上1号俸高い初任給基準とし、博士課程修了については制度年齢上2号俸6月高い初任給基準としているのである。
 これは、教育職員の職務を考えた場合には、一つには、高校以下の場合には教育職員免許状を必要とするし、二つには、高等教育を通じて専攻する専門の学芸を修得し、深い教養を培い、豊かな人間性を涵養することは、教職に直接役立つ有用な経験であるとの理解によるものなのであろうと思う。
 そのような理解の下に、大学卒ベースで作成した旧教(二)(三)3級の俸給制度表を博士課程修了ベースに置き換えて作成するとするならば、各号俸を制度年齢上2年前倒しすればよく(あと6月分は1年未満のため省略)、3級の最高号俸の大卒制度年齢についても56歳となる。つまり、俸給制度として一貫した考え方の下に3級の俸給表が作成されているのである。

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