233.昇給間差額(その8) [28.昇給間差額]
次に、平成18年俸給表の平均昇給率(昇給間差額を俸給月額で除したもの)を見ていきたい。比較しやすくするために、平成60年俸給表と並べてみる。
<昭60行(一)平均昇給率→平18行(一)平均昇給率>
(新設) →10級 2.4~0.8% 平均1.5%
11級 4.2~2.3% 平均3.5%→9級 2.6~0.7% 平均1.5%
10級 4.0~1.6% 平均3.0%→8級 2.4~0.7% 平均1.4%
9級 4.2~1.1% 平均2.9%→7級 2.8~0.7% 平均1.5%
8級 3.8~1.0% 平均2.6%→6級 2.9~0.6% 平均1.5%
7級 4.0~1.1% 平均2.5%→2.9~0.6% 平均1.6%
6級 4.2~1.0% 平均2.6%→4級 3.2~0.6% 平均1.8%
5級 4.3~0.9% 平均2.4%→3級 3.5~0.5% 平均1.7%
4級 4.6~0.8% 平均2.3%→(4・5級を統合)
3級 5.1~0.9% 平均2.5%→2級 3.8~0.4% 平均1.7%
2級 5.6~1.1% 平均2.9%→1級 4.0~0.7% 平均2.1%
<昭60教(二)平均昇給率→平18教(二)平均昇給率>
4級 2.8~1.1% 平均2.3%→1.8~0.8% 平均1.5%
3級 3.6~1.0% 平均2.5%→2.8~0.8% 平均1.8%
2級 5.8~0.8% 平均3.2%→5.0~0.4% 平均2.4%
<昭60教(三)平均昇給率→平18教(三)平均昇給率>
4級 2.6~1.0% 平均1.9%→1.6~0.8% 平均1.2%
3級 4.3~0.8% 平均2.5%→4.3~0.6% 平均1.9%
2級 5.8~0.7% 平均3.1%→5.0~0.5% 平均2.3%
どの職務の級も平均昇給率が大きく下がっていることが見て取れる。号俸毎にみておくと、以前の俸給表の場合と同様に基本的には同年次で比較すると職務の級が上位に上がるにしたがって昇給率が上がるように設計されている。しかし、細かく見れば、昭和60年俸給表のような完璧さが少し崩れているようにも感じる。ところどころ原則通りになっていないのだが、とりわけ行(一)の5級と6級との関係では職務の級が上がっても昇給率が上がるとは限らない形になっている。この辺りの事情を考察するだけの時間がないので、指摘に止めておく。
俸給表全体の平均昇給率は当然ながら下がっている。以前にも書いたが、行(一)で見てみると、昭和60年俸給表2級以上の平均昇給率2.6%に対して、平成18年俸給表の行(一)大卒以上の平均昇給率は1.7%とより一層下がっている。平均昇給率については、沿革的に俸給の調整額と関係が深いが、俸給の調整額は昭和32年に4%に設定され、その後数次の改定を経て、現行は平成18年改定前の俸給表の中位号俸の3%に設定されている。こうして見ると、昇給率と俸給の調整額の水準との乖離が進んだように思う。
いずれにしても、俸給表の昇給カーブはフラット化が一層進んだ形になっていると思われる。給与構造改革により初号付近の号俸がカットされ、最大昇給率が大きく下がるとともに、最大7%水準が引下げられた上位の号俸の昇給率は若干下がった形となっている。見方を変えれば、それだけ職務の級間の俸給水準の重なりが減少したことに繋がるのであろう。
<昭60行(一)平均昇給率→平18行(一)平均昇給率>
(新設) →10級 2.4~0.8% 平均1.5%
11級 4.2~2.3% 平均3.5%→9級 2.6~0.7% 平均1.5%
10級 4.0~1.6% 平均3.0%→8級 2.4~0.7% 平均1.4%
9級 4.2~1.1% 平均2.9%→7級 2.8~0.7% 平均1.5%
8級 3.8~1.0% 平均2.6%→6級 2.9~0.6% 平均1.5%
7級 4.0~1.1% 平均2.5%→2.9~0.6% 平均1.6%
6級 4.2~1.0% 平均2.6%→4級 3.2~0.6% 平均1.8%
5級 4.3~0.9% 平均2.4%→3級 3.5~0.5% 平均1.7%
4級 4.6~0.8% 平均2.3%→(4・5級を統合)
3級 5.1~0.9% 平均2.5%→2級 3.8~0.4% 平均1.7%
2級 5.6~1.1% 平均2.9%→1級 4.0~0.7% 平均2.1%
<昭60教(二)平均昇給率→平18教(二)平均昇給率>
4級 2.8~1.1% 平均2.3%→1.8~0.8% 平均1.5%
3級 3.6~1.0% 平均2.5%→2.8~0.8% 平均1.8%
2級 5.8~0.8% 平均3.2%→5.0~0.4% 平均2.4%
<昭60教(三)平均昇給率→平18教(三)平均昇給率>
4級 2.6~1.0% 平均1.9%→1.6~0.8% 平均1.2%
3級 4.3~0.8% 平均2.5%→4.3~0.6% 平均1.9%
2級 5.8~0.7% 平均3.1%→5.0~0.5% 平均2.3%
どの職務の級も平均昇給率が大きく下がっていることが見て取れる。号俸毎にみておくと、以前の俸給表の場合と同様に基本的には同年次で比較すると職務の級が上位に上がるにしたがって昇給率が上がるように設計されている。しかし、細かく見れば、昭和60年俸給表のような完璧さが少し崩れているようにも感じる。ところどころ原則通りになっていないのだが、とりわけ行(一)の5級と6級との関係では職務の級が上がっても昇給率が上がるとは限らない形になっている。この辺りの事情を考察するだけの時間がないので、指摘に止めておく。
俸給表全体の平均昇給率は当然ながら下がっている。以前にも書いたが、行(一)で見てみると、昭和60年俸給表2級以上の平均昇給率2.6%に対して、平成18年俸給表の行(一)大卒以上の平均昇給率は1.7%とより一層下がっている。平均昇給率については、沿革的に俸給の調整額と関係が深いが、俸給の調整額は昭和32年に4%に設定され、その後数次の改定を経て、現行は平成18年改定前の俸給表の中位号俸の3%に設定されている。こうして見ると、昇給率と俸給の調整額の水準との乖離が進んだように思う。
いずれにしても、俸給表の昇給カーブはフラット化が一層進んだ形になっていると思われる。給与構造改革により初号付近の号俸がカットされ、最大昇給率が大きく下がるとともに、最大7%水準が引下げられた上位の号俸の昇給率は若干下がった形となっている。見方を変えれば、それだけ職務の級間の俸給水準の重なりが減少したことに繋がるのであろう。
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