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235.俸給水準の重なり(その1) [30.俸給水準の重なり]

 前々回までは、給与カーブのフラット化を考察するため「昇給間差額」を取り上げて考察したが、別の見方をすれば、それは「職務の級間の俸給水準の重なりの縮減」にも影響を与えるものである。
 給与構造改革の勧告を行った平成17年の人事院勧告から、そのことを指摘している部分を抜粋しておく。

(2) 中高齢層給与の抑制(給与カーブのフラット化)
 俸給表の水準を平均4.8%引き下げることとするが、中高齢層については民間の中高齢層の給与水準との均衡を考慮して更に2%程度の引下げを行う一方で、若年層については引下げを行わないことによって、給与カーブのフラット化を進めることとした。さらに、課長、課長補佐、係長等のそれぞれの職務・職責の違いを重視した俸給表への転換を図るよう、職務の級間の俸給水準の重なりを縮減するとともに、職務の級と役職段階との関係を再整理し、職務の級の統合、新設を行う。

 給与カーブのフラット化を行うべき理由については、次のように述べている。

イ 年功的な俸給構造の見直し
 現行の俸給表は、上位の職務の級に昇格しないとしても俸給が一定の水準まで到達するよう配慮した号俸設定が行われているため、上下の職務の級の間における水準の重なりが極めて大きな構造となっている。加えて、最高号俸に達した職員も良好な勤務成績を挙げれば特別に最高号俸を超えた俸給月額に決定し得る仕組み(いわゆる「枠外昇給制度」)となっており、年功的な給与上昇を許容するものとなっている。
 俸給は、生活給の側面も有しているが、基本的には職務・職責に応じたものとして支給されるべきものである(職務給の原則)。そのため、職務の級間の水準の重なりの縮小、最高到達水準の引下げによる給与カーブのフラット化、いわゆる枠外昇給制度の廃止などの措置を講ずる必要がある。

 職務給の原則を貫けば、究極はシングルレートになるが、レンジレートであっても「職務の級間の水準の重なりはできる限り小さくすべきである」というのである。
 それでは、実際の俸給表ではどのように縮小されたのか、次回以降、考察していきたい。

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