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326.国家公務員給与懇話会の最終報告(その1) [40.給与懇話会]

 去る3月25日、「国家公務員の給与の在り方に関する懇話会」(座長:清家篤慶應義塾長)から最終報告書が人事院事務総長に提出された。
 この懇話会は、人事院が「国家公務員の給与の在り方を中心に、基本に立ち返って検討を行う必要があることから、各界の有識者から御意見をお伺いする場として」昨年4月から開催しており、その「意見の中間的な整理」については、昨年の人事院給与報告でも引用されていた。
 今回の最終報告書については、マスコミも報道で大きく取り上げていなかったように思う。おそらく、目新しい要素がなかったためではないかと思われる。

 公務員の給与を巡っては、とかく厳しい話ばかりなのだが、この懇話会の意見は、例えば、「国家公務員の給与水準は、国家公務員が高い使命感を持って職務に専念することができるよう、その役割や仕事にふさわしい適正な処遇を行うという観点から考えるべき」など、国家公務員給与の基本的な在り方を考える上では、プラスイメージにつながる積極的な観点が提起されている。その観点は、報告書の副題~我が国を支える人材を確保し、活躍してもらうために~にも端的に示されている。

 国家公務員の給与に関わる基本的な考え方という総論については、異論は少ないだろう。問題は、今年の人事院報告に引用され、具体の勧告に反映されるであろう各論である。
 最終報告書の概要版では、各論の主な意見として、論点を3つにまとめて挙げている。人事院のホームページから、該当部分を転載しておく。

4 国家公務員の給与制度の在り方に関する意見
○ 仕事の重要度や能力・実績に応じたメリハリのある給与とすることは重要であり、人事評価を厳正に行い、その結果を給与等の処遇に適切に反映していく必要。
 他方、能力・実績を過度に給与へ反映させることは、組織にマイナスの影響を及ぼす可能性があることにも留意が必要。
○ 民間においては、役職定年制が導入されている企業もある等、企業によって人事管理は様々であるが、全体で見れば50歳台後半層の給与水準は抑制されており、公務においても、世代間の給与配分の見直しを進めていく必要。
○ 民間の地場賃金は、地域によって相当の水準差があるが、国家公務員については、転勤も多く、全国において同種の仕事をしていることから、地域による給与差には自ずと限界がある。
 人事管理上、転勤を円滑に行うためには、地域による給与差を踏まえ、転勤者に対する一定の給与上の配慮を行うことが必要。

 ところで、先日、7年ぶりの公務員給与引上げ勧告の可能性を伝える報道があった。

時事ドットコム
国家公務員、ベア成るか=来月から民間給与調査-人事院
 人事院は15日、国家公務員の給与改定勧告の基礎資料となる民間給与実態調査を5月1日から始めると発表した。今年の春闘で、主要企業のベースアップ(ベア)回答が相次いでいることから、公務員も7年ぶりの引き上げ勧告となる可能性が出ている。
 調査は、全国の従業員50人以上の企業約1万2400社の4月分の社員給与などを調べる。今回は、人事評価結果の昇給への反映度合いや、定年退職後に再雇用された社員の給与水準についても、詳細に調査する方針。
 連合の調査に2年連続で回答した1754労組全体の今春闘での平均賃上げ率(ベアと定期昇給含む)は2.25%で、昨年より0.44ポイントアップ。賃上げ月額は6572円で、昨年を1324円上回った。
(2014/04/15-18:28)

 今年こそは、久しぶりのベースアップを期待したい。
 次回以降、最終報告書の論点ごとにもう少し詳しく見ておきたい。

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