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330.東京都の教育職給料表(その2) [41.東京都の教育職給料表]

 前回に引き続き、東京都の教職員給料表について考察していこう。
 まず、各職務の級ごとの給料月額の水準について、初号と最高号給の金額により確認しておく。

<東京都>
  1級 1号146,000円~169号337,100円
  2級 1号178,100円~177号399,200円
  3級 1号246,600円~149号430,000円
  4級 1号271,100円~133号455,000円
  5級 1号335,500円~101号483,500円
  6級 1号382,300円~85号512,500円

<全人連モデル>
 旧教育(二)
  1級  1号148,800円~153号332,700円
  2級  1号192,800円~137号424,800円
  特2級 1号254,100円~109号446,200円
  3級  1号330,600円~77号463,600円(加算額7,700円)
  4級  1号422,000円~37号483,400円
 旧教育(三)
  1級  1号148,800円~125号309,500円
  2級  1号164,400円~149号413,400円
  特2級 1号254,100円~109号424,900円
  3級  1号285,600円~93号434,200円(加算額7,500円)
  4級  1号411,600円~37号458,900円

 最高到達水準について、最高号給の金額に着目して比べてみる。
 東京1級は、旧教育(二)1級より4,400円(1.3%)、旧教育(三)1級より27,600円(8.9%)高い。
 東京2級は、旧教育(二)2級より25,600円(6.0%)、旧教育(三)2級より14,200円(3.4%)低い。
 東京3級は、旧教育(二)2級より5,200円(1.2%)、旧教育(三)2級より16,600円(4.0%)高い。
 東京4級は、旧教育(二)特2級より8,800円(2.0%)、旧教育(三)特2級より30,100円(7.1%)高い。
 東京5級は、加算額を加味して比較すると、旧教育(二)3級より12,200円(2.6%)、旧教育(三)3級より41,800円(9.5%)高い。
 東京6級は、旧教育(二)4級より29,100円(6.0%)、旧教育(三)4級より53,600円(11.7%)高い。

 全体として相当高い水準となっており、しかも、職務の級が上昇するに従ってより手厚くなっている。ただし、教諭は、主任教諭に昇任できなければ、最高到達水準の給料は国モデルよりも14,200円~25,600円低い額(▲3.4%~▲6.0%)に止まることになっている。

 給料表全体の水準は最高到達水準を比較しただけでは分からない。制度表を作成して、同一の制度年齢における給料月額の比較を行ってみるのが簡便な方法である。
 比較全体を掲載するスペースはないので、ピックアップする。
まずは、2級(教諭)について比較する。

<東京2級×旧教育(二)2級>
 年齢(経験)   東京        旧教育(二)      差額
 22歳(0年) 9号 195,600円  1号 192,800円  2,800円(1.5%)
 27歳(5年) 29号 241,700円  21号 232,800円  8,900円(3.8%)
 32歳(10年) 49号 285,600円  41号 286,100円  ▲500円(▲0.2%)
 37歳(15年) 69号 327,200円  61号 334,100円  ▲6,900円(▲2.1%)
 42歳(20年) 89号 358,200円  81号 374,200円 ▲16,000円(▲4.3%)
 47歳(25年)109号 372,600円  101号 399,900円 ▲27,300円(▲6.8%)
 52歳(30年)129号 380,600円  121号 417,200円 ▲36,300円(▲8.7%)
 56歳(34年) 145号 387,000円  137号 424,800円(最高)▲37,800円(▲8.9%)
 57歳(35年)149号 388,600円       -
 64歳(42年)177号 399,200円(最高)   -

<東京2級×旧教育(三)2級>
 年齢(経験)   東京        旧教育(三)      差額
 22歳(0年) 9号 195,600円  13号 192,800円  2,800円(1.5%)
 27歳(5年) 29号 241,700円  33号 232,800円  8,900円(3.8%)
 32歳(10年) 49号 285,600円  53号 286,100円  ▲500円(▲0.2%)
 37歳(15年) 69号 327,200円  73号 334,100円 ▲6,900円(▲2.1%)
 42歳(20年) 89号 358,200円  93号 369,400円 ▲11,200円(▲3.0%)
 47歳(25年) 109号 372,600円  113号 389,600円 ▲17,000円(▲4.4%)
 52歳(30年) 129号 380,600円  133号 404,600円 ▲24,000円(▲5.9%)
 56歳(34年) 145号 387,000円  149号 413,400円(最高)▲26,400円(▲6.4%)
 57歳(35年)149号 388,600円       -
 64歳(42年)177号 399,200円(最高)   -

 最高到達水準に着目した場合には、先ほど述べたように、東京2級は、旧教育(二)2級より25,600円(6.0%)、旧教育(三)2級より14,200円(3.4%)低いということになっている。しかし、格合わせ方式により同年次の水準を比較すると上記のとおりであり、全人連モデル=国基準における号俸構成の最高位置である制度年齢56歳(大学卒経験年数34年)では、東京2級は、旧教育(二)2級より37,800円(8.9%)、旧教育(三)2級より26,400円(6.4%)低くなっている。(それぞれ更に12,200円(2.9%)、12,200円(3.0%)低い。)行政(一)と比較すると、全人連モデルの最高号給の水準は旧教育(二)2級は行政(一)6級を、教育(三)は行政(一)5級を超える水準であるのに対して、東京2級は行政(一)4級を若干下回る水準となっている。
 一方、東京都の最高号給の位置は、制度年齢64歳(大学卒経験年数42年)であり、全人連モデル=国基準を8歳(8年)も上回っている。それだけの号給数を用意した理由は想像するしかないのだが、一つには、現行給料表への切替えに伴い、経過措置的に号俸数を用意する必要があったのかもしれない。あるいは、完成形を想定した場合、新規大学卒採用後60歳までの38年間に優秀な成績に伴う査定メリットを平均的に享受するものと仮定すれば生涯で約6年分(38年×15%=5.7年)早いスピードで最高号俸に到達する計算になることから、定年まで昇給させることを前提とするならば、この程度の号給数を用意する必要があったのかもしれない。いずれにしても、全人連モデル=国基準を前提にすれば、かなりの号給延長を行った給料表ということができるだろう。

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