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388.読書=『これだけは知っておきたい 働き方の教科書』 [29.読書]

 安藤至大『これだけは知っておきたい 働き方の教科書』(ちくま新書、2015年)
 著者は、1976年生まれ。現在は日本大学准教授で、専門は契約理論、労働経済学、法と経済学と紹介されている。
 「はじめに」に次のように書かれている。

 この本では、「働く」ということについて考えます。その際に、わが国の法律や慣習がどうなっているのか、また経済学ではどのように考えるのかという二つの視点から見ていきます。ただし法律や経済学といっても難しいことは扱いません。多くの人が、暗黙のうちに「だいたいこんな感じかな?」と思っていることを、少しだけ丁寧に説明していきます。
①私たちの社会において、働き方の仕組みはどうなっているのか
②現在の仕組みにはどのような問題があるのか
③働き方はこれからどのように変化するのか
④私たちは今後の変化にどのように備えればよいのか
 という四つの疑問に答えます。つまり働き方について、背後にある構造、現状、未来、そして個人にできる対策を順番に考えていきます。
 「そんなことよりも、どうすれば給料が増えるのかを教えてほしい!」などという読者もいることでしょう。しかし本書では給料の話は少ししか扱いません。なぜなら働き方の現在と未来について、また現行の法制度について知っておくことのほうが、長い目で見るとより役に立つからです。
 (略)
 これからしばらくの間、働き方の現在と未来について、一緒に考えて行きましょう。…

 第1章 働き方の仕組みを知る
 第2章 働き方の現在を知る
 第3章 働き方の未来祖知る
 第4章 いま私たちにできることを知る

 第1章の中に「給料はどう決まるのか?」という節があります。
 読み進めていくと労働経済学の先生だけあって、実務ではなく、経済学の理論から給料の話も進んでいく。おそらくは大学生や社会に出たての若者をターゲットにしているのかもしれないのだが、平易な解説が続いていく。「平易な解説」だからといって、内容の程度が低いのではない。よく考えられた説明になっており、勉強になる本である。
 経済学による理論的な理解をベースにした上で、現実の日本の労働法制や労働慣行の理解を重ね、さらに今後の未来予測を踏まえて、自分にできることは何かを考えて行く。
 若者はもちろん、若者以外にも読んでほしい一冊である。

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