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11. 旧教育職俸給表(二)(三)の作成(その11) [1.旧教(二)(三)の作成]

 前回、平成4年から平成8年までの人事院勧告の説明を見てきたが、ここで、昇格制度の改善が俸給制度曲線をどのように変化させ、行(一)と教(二)(三)との対比を考える上においてどのような影響を与えたのかを考えておきたい。
 平成4年に昇格制度が改善され、昇格時に直近上位の号俸に決定される方式から、直近上位の1号上位の号俸に決定される方式に変わった訳であるが、そうなると、以前触れた俸給制度曲線の元になる俸給制度表はどうなるのであろうか。行(一)の4級以上は従前の俸給制度表と比べ1号俸づつ前倒しにすべきであろうか。つまり、昇格早見表に近い表にすべきなのであろうか。実際、行(一)の昇給・昇格モデルを作成するとするならば、1号上位昇格制度を加味したものとしなければ意味がないであろう。昇給・昇格モデルを曲線で表現すれば、昇格ポイントで昇格メリット分がいわば上の階段に飛びつくかのようになるはずである。
 しかし、ここで「全人連モデル」の参考資料「参考給与表と行政職俸給表(一)との対比表」について考えた過程を思い出したい。そこでは、一見ずれているように見えた教(二)(三)と行(一)との対比の仕方、職務の級及び号俸の合わせ方が、平成3年以前の俸給表の姿に戻せば単純な対比方法になっていることが分かったはずである。言い換えれば、日本人事行政研究所は、1号上位昇格制度が導入され、号俸間引きが行われた後も、1号上位昇格制度の導入効果である行(一)の昇格メリットと教(二)(三)の号俸間引きの効果を差し引いた上で教(一)の俸給月額と教(二)(三)の俸給月額との比較を行い、従来の経緯を踏まえた行(一)との均衡が保たれているとしているのだ。
 つまり、昇格メリットはあくまでも昇格制度上の効果であって、俸給表構造には何ら影響を及ぼさないということなのだろう。逆に言えば、昇格メリットを織り込んで比較してしまうことは、昇格メリットの効果が号俸ピッチに影響を与えてしまうと考えたのではないかと思う。ここら辺り、かなり専門技術的な観点からの思想があってのことだろうと推測はする。


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