SSブログ

12. 旧教育職俸給表(二)(三)の作成(その12) [1.旧教(二)(三)の作成]

 さて、平成4年から平成8年までの教(二)(三)の平均改定率が行(一)のそれに対して1.5%高くなっている点に戻るが、果たして、これで本当に均衡が保たれているのであろうか。つまり、1号上位昇格制度による行(一)の改善効果と号俸間引き及びこの間の厚めの改定による教(二)(三)の改善効果とはちょうどバランスがとれているのであろうか。
 これも教(二)(三)の2級について考えてみたい。
<1号上位昇格制度の効果>
  行(一) 2級~8級  累計で5号俸
       2級~7級  累計で4号俸
<号俸間引き>
  教(二)(三)  3号俸
 差し引きすると、まだ1~2号俸分足りないことになる。これを行(一)より累計1.5%厚めの改定により埋めようとしたのであろうか。
 例えば、1号俸分の間差は教(二)(三)の場合、平均すれば俸給月額の3%弱である。これでは累計1.5%じゃあ足りない。では、行(一)の間差の場合はどうか。
 <行(一)の級別号俸平均間差(平成8年)>
    4級   2.00%
    5級   2.03
    6級   2.23
    7級   2.21
    8級   2.22
 行(一)の2~8級まで累計すれば10.69%、2~7級まで累計すれば8.47%となる。この数値から、教(二)(三)の3号俸間引き分としてそれぞれの平均間差、教(二)2.91%、教(三)2.81%を仮に3倍したもの、教(二)8.73%、教(三)8.43%を差し引くと、残りは、教(二)1.96%、教(三)0.04%となる。これに平成3年の俸給表の改定差を加味するとすればどうなるか。対教(二)0.5%、対教(三)0.6%を加算し、それぞれ対教(二)11.19%、対教(三)10.07%となり、差し引き残りは、教(二)2.46%、教(三)1.64%となる。こうすると、行(一)より厚めの改定分である累計1.5%と教(三)の残り1.64%とは近い数値、ほぼ同じになったとはいえないだろうか。
 まあこのように比較する考え方が正しいかどうか分からない。「在職者調整を含む新昇格制度の効果について行政職との均衡」と言うのであるから、それぞれの職種の在職実態を踏まえた実質的な均衡を計算してはじいているのかもしれない。いずれにしても推測の域を出ないけれども、どうやら1号上位昇格制度による行(一)の改善効果と教(三)の号俸間引き及びこの間の厚めの改定による改善効果とはちょうどバランスがとれているといってよいのではないか。また、教(二)については、おそらく教(三)との均衡を考慮しての数値になっているのであろう。
 いずれにしても、この辺りの職種間「均衡」を確保するためにとられた芸術的ともいえる措置に人事院の職人的なこだわりを感じてしまうのは、私だけだろうか。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。