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16. 旧教育職俸給表(二)(三)の作成(その16) [1.旧教(二)(三)の作成]

 前回、教(三)の水準が、行(一)と比較して号俸ベースで実際にはどの程度となっているのかを見てきた。三本建てが確立した時点で明確であった調整号俸1号俸分の有利性は、8等級制に引き継がれたものの、行(一)は昇格していくのに従って給与水準が上昇するのに対して教(二)(三)2級は教諭である限り昇格はないという事情もあって、また、その後の給与改定によって不明確となった。8等級制時代の昭和48年に至っては、三本建て給与の6級を引き継いだ教(三)の俸給水準を見れば、行(一)と比較して、有利どころかマイナスとなってしまったとも言える。一方、この時点で、2等級の初号付近の概ね5号俸分は2号俸程度の有利性がある。これは、教(三)の大学卒初任給を教(二)の大学卒初任給と同額にしていることによる改善効果なのであろう。
 いったん「明らかでなくなった」、むしろ逆転してしまったとさえ言える調整号俸の有利性は、人材確保法に基づく俸給表の特別改善により飛躍的に改善された。それは、昭和49年適用の教(三)の対行(一)優位率と号俸ベースでの差を見れば一目瞭然である。正に、金井助教授がインタビューで人事院の担当者から聞かれたとおり、「教育(三)2級(教諭)の到達水準について、人確法により、本省課長補佐(行政(一)7級)を念頭に置き、1号俸程度上回ること。」となっているではないか。教(三)2級の初号付近は改善前の2号俸程度優位を更に1号俸程度分改善して3号俸程度優位とし、最高号俸の到達水準について行(一)7級(4等級)を1号俸程度上回るよう俸給曲線を引き起こしたのである。その改善効果は、平均9%にも及ぶ。
 この時に形作られた教(三)の俸給曲線、俸給の格付け=俸給水準の部内評価は、第2次改善、第3次改善で若干の修正は加えられるが、基本的にはほぼ変更されることなく、現在に連綿と引き継がれているといってよいのである。


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