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17. 特2級の創設と教育職給料表の一本化(その1) [2.特2級創設と給料表一本化]

 これまで、「旧教育職俸給表(二)(三)の作成」という観点から、行(一)と教(二)(三)2級の関係を中心にして考察してきた。考察すればするほど、疑問点や確かめてみたくなりことが次々と出てくるのだが、ちょっとそれらを横に置いておいて、今回からは、ちょっと別の話題に移りたいと思う。
 それは、教(二)(三)に特2級を新たに創設したり、教(二)及び教(三)を統合・一本化するといった動きが出てきたことについてである。中教審の教職員給与の在り方に関するワーキンググループでも話題に出ているようである。これをどのように受け止めたらいいのだろうか。人事院は、かつて優秀な教諭の3級昇格への途を否定しない考えを表明したが、特2級や新2級といった考えは示していない。この点も頭の片隅に置きながら、具体的に確認していこう。

 まず、特2級の創設をはじめて行った東京都の例を考えてみたい。
 特2級というのは、校長、教頭、教諭という公立学校の組織編制の中に、新たに教頭の次席として教諭をもって充てる主幹という職を設けたことに伴い、4級制の給料表を改め、2級と3級の間に設けられた新たな職務の級である。東京都立学校の管理運営に関する規則によれば、主幹は、教諭又は養護教諭をもって充てられる職で、上司の命を受け、担当する校務を統括処理するという職務を担い、担当する校務に関する事項について、教頭を補佐し、所属職員を監督する権限が与えられている。職制上、教諭の上に立つ職として予定されており、その職責は教諭を超えるものとの位置づけに鑑みて、特2級を創設したということなのであろう。
 職の設置の是非や職の評価は別として、その給料表はいったいどのような水準となっているのであろうか。東京都の場合は、教(二)に当たるのが高等学校等教育職員給料表、教(三)に当たるのが小学校・中学校教育職員給料表である(実際には上位号給で若干金額に違いがある。)。便宜上、給与構造改革前の平成15年適用の給料表により考えたいと思う。
 まず、一見して分かるのは、「特」2級との表記が物語るように、特2級は2級と3級の間に、2級と3級との水準を一応変更せずに割り込ませ、新たに給料カーブを引き起こしたて作成した給料表であろうと想定できる。その特2級の昇格メリットはどのようになっているのであろうか。昇格時対応号給でメリットを確認すると、1号上位昇格制度を採用していないこともあり、教(二)相当で3,500円~9,700円(平均4,924円)、教(三)相当で3,500円~8,400円(5,500円)に止まっている。行(一)5級の昇格メリットが6,500円~15,700円(平均10,600円)、6級が11,200円~26,200円(平均17,300円)、7級が9,700円~14,000円(平均12,000円)、8級が12,000円~21,700円(平均15,000円)、であることを思えば、少し低くいのではないかと考えるがどうであろうか。
 ただ、特2級に昇格しても主任を兼ねる場合には引き続きいわゆる主任手当は支給されるようである。主任手当は月額4,000円程度(日額200円)であり、昇格メリットが諸手当へ跳ね返ることを勘案すると、二つを合わせれば、一般教諭より10,000円を超える額の給与水準となるようではある。


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