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19. 特2級の創設と教育職給料表の一本化(その3) [2.特2級創設と給料表一本化]

 前回、東京都の特2級を見たところ、3級の俸給水準と特2級の教職調整額を含む俸給水準とが逆転することを確認した。これは、人事院があれほどまでに年次主義に立って部内均衡や給与秩序に配慮して作り上げてきた制度からすれば、許されない事態なのではないだろうか。3級に昇格するということは、同時に教頭に昇任して管理職手当が支給されることになるのだから、管理職手当を含めて考えれば給与水準はアップし、逆転は生じない。しかし、給与の基本中の基本である本俸の水準が逆転するのはどうなのであろうか。何か、昇格時に特別に1号給昇給させるといった手法でもって措置しているのであろうか。この辺りは聞いてみないことには規則レベルでは分からない。念のため給与構造改革後の平成18年4月適用の給料表でも確認したが、それ以前と基本的な昇格構造に変わりはないといってよく、やはり3級昇格時に逆転が生じている。
 このような逆転現象が生じてもおかしくないとしてこの特2級の給料表を作成したということは、「教職調整額は一括支給された時間外勤務手当であって本俸ではない」、と考えているということの証左だろう。教職調整額をどのように見るかは、教員給与を考える上での重要なポイントであり、改めて考察はしたいが、現行制度上、教職調整額には本俸的性格が付与され、勤勉手当をはじめ諸手当に跳ね返り、退職手当にさえ跳ね返るという給与である以上は、給与水準としてどう考えるのかという議論は別として、特2級と3級とで本俸的水準に逆転を生じさせるのはいかがなものかと思う。管理職手当が支給されることによって年収では逆転しない、勤勉手当は役職段階別加算額で考慮しているからかまわない、ということなのだろうか。
 もちろん、既に3級昇格時以上に1号上位昇格制度を導入してきた県が新たに東京都並の特2級を導入した場合には東京都のような逆転現象はほぼ生じない。その際、教(二)(三)の特2級の水準は、どうみても行(一)4級以上であるのだから、更に特2級昇格時にも1号上位昇格制度(現行では、その趣旨を踏まえた一定額加算昇格制度)を導入するのが当然であるとは思うが、実際に採用するかどうかは、一つの重要な検討課題となろう。


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