20. 特2級の創設と教育職給料表の一本化(その4) [2.特2級創設と給料表一本化]
次に、神奈川県が行った教育職給料表の一本化について考えてみたい。
神奈川県では、主任に代わる職として総括教諭を設置したが、この総括教諭という新たな職について職務・職責に応じた給与上の格付けを行うため、新2級を創設したようである。その際、いきさつは分からないが、同時に高等学校等教育職給料表と小学校等教育職給料表の統合・一本化が行われている。
一本化後の給料水準がどのようになったか、平成17年の同県人事委員会勧告から概観しておきたい。基本は、全人連モデルを参考にしてということであるらしい。
職務の級 標準職務 給料表水準
1級 助教諭 教(二)1級
2級 教諭(総括教諭を除く) 教(三)2級
新2級 総括教諭 教(二)2級
3級 教頭 教(三)3級
4級 校長 教(三)4級
これはどうしたかことか。新2級といいつつ、これでは東京都の特2級とは全く別物であって、小中学校の総括教諭については確かに格(水準)は上がるが、高等学校等の総括教諭の場合にはこれまの教諭の級と同格(同水準)となっている。それどころか、高等学校等教育職給料表は全体として給料上の水準を引き下げる結果となっているのではないか。(新2級は教(二)2級の水準となってはいるが、実際の給料表では98号給以上から若干水準を高く設定している。)
給料水準の決定要素の一つとして、学歴免許等の取得条件などが重視され、教(二)と教(三)の給料水準についても、教育職員免許状の取得条件の違いや在職者における大学卒と短大卒の実態が考慮され、また、高等学校等と小中学校等との管理職登用割合の違いも踏まえて、これまでから一定の水準差が設けられてきたはずである。
確かに、小中学校教諭の大学卒資格者の割合は上がってきており、その点での高等学校等との差異は狭まってきている。現行の教(二)の水準が確立した頃の高等学校等教諭の大学卒資格者の割合以上となっているはずである。であるならば、教育職給料表を一本化するのならば、純粋に技術的に考えれば、教(三)ベースに統一するのではなくて教(二)ベースに統一すべきではないのだろうかとの疑問もわくのだが…。
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