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21. 特2級の創設と教育職給料表の一本化(その5) [2.特2級創設と給料表一本化]

 しかし、神奈川県が現実に選択した教育職給料表の統一後の水準は、教(二)ベースではなくて教(三)ベースであった。高等学校等の関係者はどう受け止められているのかと思う。特に、高等学校等の校長や教頭は水準が大幅に下がったのではないのかと心配する。
 ここで、各級の最高到達号給の水準を確認しておこう。勧告が平成17年であるから、給与構造改革後の平成18年4月1日適用の給料表ということになり、全人連モデルと比較しておきたい。ただし、勧告では新2級と言っていたが、学校職員の給与等に関する条例に定める教育職給料表では、実際には新2級が3級、3級が4級、4級が5級となっている。

 <神奈川県の教育職給料表の最高到達号給>
  職務の級 号給  給料月額   教(三)モデル      教(二)モデル
   1級  165  338,400  1級 125 311,300  1級 153 335,100
   2級  185  436,700  2級 149 416,500  2級 137 428,100
   3級  137  446,000  2級 149 416,500  2級 137 428,100
   4級  121  456,300  3級  93 438,100  3級  77 467,700
   5級   57  481,000  4級  37 463,000  4級  37 487,800
 神奈川県の給料表は、全人連モデルをベースにしており、1級1号給=教(二)1級1号給、2級=教(三)2級1号給、新2級すなわち、3級1号給=教(二)2級25号給、4級1号給=教(三)3級1号給、5級1号給=教(三)4級1号給となっている。それぞれ号給の延長をしており、1級で教(二)1級相当+12号俸相当、2級で教(三)2級相当=36号俸相当、新2級すなわち、3級で教(二)2級相当24号俸相当、4級で教(三)3級相当28号俸相当、5級で教(三)4級相当20号俸となっている。
 こう見ると、最高号給の号給延長(継ぎ足し)効果で、1~3級については全人連モデル教(二)の最高到達号俸の水準を超えており、それなりにカバーしているのかなと思う。しかし、4・5級については号給延長をしても全人連モデル教(二)の最高到達号俸の水準に達しない状況になっている。高等学校等の校長・教頭という職務の市場価格は、とうとう引き下げられてしまったのか。小中学校とは比較にならないほど多数の教職員を部下とし、日頃から社会的に重い責任を課せられ、しかも教育改革という激しく厳しい嵐に晒されている最前線の指揮官の職務の評価として、本当にそうなのか、それで良いのか、という感想を持ってしまう。
 なお、念のために昇格対応号給表で昇格時期を確認したところ、例えば4級1号給への昇格ポイントは、これに対応する全人連モデル教(三)3級1号俸の昇格ポイントより4号俸(旧1号俸)分早くなっている。つまり、3級=新2級以上に1号上位昇格制度を導入したような効果が出ていると考えていいのではないかと思う。昇格メリットの点では、全人連モデルより有利となってはいるようである。しかし、それでもやはり、高等学校等の校長・教頭の給料月額の水準は下がってしまう。


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