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42.「職階制」小考察(その1) [4.「職階制」小考察]

 これまで教育職俸給表(二)(三)の2級と1級を中心に学習をつつけてきたが、ここで、現行給与制度の成立にも影響を与えたと思われる「職階制」について少しだけ考察してみたい。というのも、給与制度の世界では「職務給の原則」という給与決定上の大原則があり、その「職務給の原則」は「職階制」と関連づけて説明される場合が多いにもかかわらず、その法令上の根拠規定はほとんど死文化しているという日本の現実があるということ、更には戦後人事行政の基礎となるべき理想の制度として期待されたにもかかわらず、結局は実施されることなく公務員制度改革によって葬られようとしていることという事情があること、その故に、それでは「職階制」とはいったいどのような制度なのだろうか、という素朴な興味を引き起こすからである。

 我が国の職階制については、戦後、「公務の民主的且つ能率的な運営を促進することを目的」(職階法第1条)として、戦前の身分を中心とした人事管理制度を排除し、官職(仕事)を中心とした科学的な人事管理制度を導入しようとしたものであると言われている。
 国家公務員の職階制に関する法律(昭和25年法律第180号)の規定を見ると、次のように定義されている。
 第2条(職階制の意義) 職階制は、官職を、職務の種類及び複雑と責任の度に応じ、この法律に定める原則及び方法に従つて分類整理する計画である。
 この規定は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)第62条(給与の根本基準)の「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす」という規定を受けたものであることは、容易に想像がつく。”position classification plan”という英語を忠実に訳したような定義となっているのだが、「分類整理する計画」というのがどうもピンとこない。
 次を読む進むと、第3条で、官職、職務、責任、職級、職級明細書、職種、格付という用語について、それぞれ厳密に定義している。更に、第2章で、職階制実施のための具体的な手順が記述されている。職種及び職級の決定、職級明細書の作成及び使用、官職の格付などである。これが「詳細な職務分析に基づく官職の分類整理」と一般的に言われるものなのであろう。


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