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55. 給与構造改革と俸給表の改定(その4) [6.給与構造改革]

 次に、初号等の号俸カットを見てみよう。
これについては、人事院が「いわゆる1号上位昇格制度を適用した結果、現在在職者がいないか、在職実態が極めて少ない初号等の号俸をカットする」と端的に説明しているとおりであり、このことは、既に級別資格基準との関係で言及したとおりである。
 人事院は、職務の級間の水準の重複を減少させるために号俸をカットすると言っているが、そのような見方は否定するものではないが、本音は俸給表構造の形にこだわったのではないかと思っている。級別資格基準と初号との関係は、平成2年の改定で級別資格基準のラインより初号が1号俸分早くなるように落ち着いたのだが、平成4年度に導入された1号上位昇格制度により崩れてしまった俸給表の構造を、ここで元の形に戻すべく整理し直したのではないかと思う。カットされた号俸は、既に制度的に使うことがなくなってしまっていたのだ。とすれば、職務の級間の水準の重複を減少などという理由は表面的なものにすぎず、実質的には平成4年度に実施されていたことなのである。

 当然、教(二)(三)の全人連モデルでも在職実態がない号俸という理由から、教(二)の3級は3号俸、4級は5号俸、教(三)の3級は2号俸、4級は5号俸がカットされた。これを行政の場合と同じように俸給制度表を作成し、昇格改善効果と号俸間引き(大卒制度年数の7年、11年、15年)を加味した上で教(二)(三)の3級及び4級に係る級別資格基準のラインを重ねて確認しておこう。
<教(二) (三)の級別資格基準のラインと初号の位置関係>
        級別資格基準 昇格改善前 昇格改善後  間引き後  18.4カット
 教(二)2級    0年      0号俸     0号俸    0号俸     -
     3級   16年      3       4(3+1)  6(4+2)  3号俸
     4級   25年      3       5(3+2)  8(5+3)  5
 教(三)2級    0年      0号俸     0号俸    0号俸     -
     3級   11年      2       3(2+1)  4(3+1)  2号俸
     4級   24年      2       4(2+2)  7(4+3)  5
 こちらも1号上位昇格制度と号俸間引きにより制度的に前倒しとなった号俸とちょうど同じ号俸を18年4月改正でカットしている。つまり、昇格改善や号俸間引きにより俸給表として制度的に不要となってしまった部分をこの際修正し、行(一)と同様に平成2年に確立した級別資格基準のラインと初号の位置関係に戻したと言えるのではないだろうか。


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