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72. 3級加算額(その1) [9.3級加算額]

 教職調整額については、中教審においてこれまで以上に深い議論や別の論点が出てくれば更に考察を進めることにし、次は、いわゆる「3級加算額」について考えてみたい。
 この加算額は、俸給表に記載されている俸給月額に加算するもので、俸給表記載額と一体となって本俸となる一種の調整額である。これは、教職調整額の創設と深くかかわる給与であって、他の俸給表にはみられない教(二)(三)独自のものであるり、現行では教(二)(三)の俸給表の備考に書かれているのだが、このノートでは、その沿革なり、意義なりというものを記載しても意味がない。むしろ、どうやってその額を算定するのかといった問題意識を出発点にして、いろいろと考えてみたい。

 18年4月改正により、この3級加算額についても全人連モデルが示され、教(二)は8,200円から7,700円に、教(二)は8,000円から7,500円にそれぞれ改定されたのだが、これはどのようにして算定されたのであろうか。昇格時の号俸決定が一定額加算方式に変更されたが、3級加算額の意味はどうなったのか、従来の水準は保たれているのであろうか。この辺りの事情から検証してみたい。

 まず、3級加算額の沿革からか確認しておくと、そもそも、教諭に支給される教職調整額が3級に昇格すると支給されなくなって本俸的給与が逆転してしまう、その逆転防止措置として加算額が設けられたものであった。
 その加算額は、創設時は人事院規則で定められることとされ、いわゆる給特法第5条第2項に次のように定められていた。
 「2 前項の人事院規則で定める額は、その属する職務の等級が同項に規定する俸給表の二等級である者がこれらの俸給表の一等級である者となった場合に受ける俸給月額がそのなった前に受けていた俸給月額(教職調整額を含む。)を下ることがないようにするため、これらの俸給表の一等級の俸給月額とこれに対応する二等級の俸給月額に百分の百四を乗じて得た額との差額を基準として定めるものとする。」
 この規定は、現行法では削除されてしまったが、制定当初はここにハッキリと逆転防止が明記されていたのだ。当時の人事院規則を見ると、定額だけでは足りず、双子の上位等から昇格した場合により大きな差額が生じるため、これを埋めるための加算額が号俸ごとに定められていたのである。


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