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90. トピック=中教審教員給与WG [8.トピック]

 中央教育審議会の初等中等教育分科会「教職員給与の在り方に関するワーキンググループ」における検討状況については、教育再生会議などを巡る話題もあってか、その動きが報道されることは比較的少ないように思う。
 そんな中、今日(2月19日)のサンケイ・ウェブに中教審WGに関する記事が掲載されたので、管理職手当の考察を今日はお休みにして、次ぎに引用してみたい。

=主幹、指導教諭新設を 中教審作業部会、給与見直しも要請=
 教職員給与や学校組織の在り方を検討していた中央教育審議会の教職員給与ワーキンググループ(作業部会)は13日、校長や教頭といった管理職を補佐する「主幹」や、他の教員を指導する「指導教諭」を新設する内容を盛り込んだ答申の素案をまとめた。校長・教頭以外の教員に差がない「鍋ぶた型」の学校組織を見直し、学校運営の円滑化をはかる。
 素案では、「主幹」や「指導教諭」を新設する際には、必要に応じて新たな級を創設するのが望ましいとした。校長を補佐する「副校長」制度については、委員の中に「教頭との違いが分からない」との異論があり、検討を続けるとした。
 教員給与をめぐっては、優秀な教員を確保するため一般公務員より教員給与を優遇するよう定める人材確保法を堅持するよう求めたが、政府が給与優遇分の一部削減を決めている事情を踏まえて見直しを要請した。
 教員実態調査では仕事への負担感が二極化する傾向がみられたため、一律4%支給される「教職調整額」を見直してメリハリをつけるよう求めた。具体的には(1)仕事の負担量に応じて支給率を変える「教職特別手当」の新設(2)一般公務員と同様に勤務時間に応じて支給額を変える「時間外手当」の導入-のいずれかを求めた。同日の会議では、現行制度の修正案も出されており、具体策の決定は持ち越した。(2007/02/19 08:56)

 このノートの問題意識からしても、興味を引く論点が出ている。一つは、主幹や指導教諭、あるいは副校長といった新しい職を創設することに伴って、現行俸給表を4級制から5級制あるいはそれ以上にしようという論点。もう一つは、教職調整額の見直しである。
 級構成の変更については、少なくとも5級制までは異論が無いのであろう。ただ、それ以上になると、前提となる副校長の創設に色々意見があるようである。そもそも副校長が何故議論されることになったのか理解できない。唐突な感じがする。児童生徒に対する教育がこれほどまでに大きく議論されている状況にあって、何故管理職ばかり増やす主張になるのか。確かに教員勤務実態調査では教頭の超過勤務が過大である実態が浮き彫りになった。だが、その解決策に副校長というのはどうも単純にはうなずけない。管理職の一般教員に対する管理・監督業務の複雑・困難さの度合いが従来以上にも大きくなり、その量も増大したとでもいうのであろうか。むしろ、この提案には東京都教委の意向が色濃く反映しているような気がしないでもないのだが、穿った見方だろうか…。
 教職調整額の見方については、どうか。教職特別手当の新設と時間外手当の導入の2案が検討されたようだが、このうち教職特別手当の性格はよく分からないが、調整額という表現を手当という表現に変更していることから、おそらく退職手当や期末・勤勉手当などに跳ね返らない給与なのであろう。一応、そんな見直し案も想像してはいたが、同日の会議では現行制度の修正案、おそらく教職調整額を調整額として残しつつ一部修正する案も出されたようであり、文部科学省のねらいどおりに議論は進んでいないのかもしれない。そういう意味では、健全なWGと言えそうである。


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