93. 管理職手当(俸給の特別調整額)(その10) [12.管理職手当]
前回、俸給の特別調整額の算定基礎とすべき中位号俸の見つけ方を確認した。同様の手法を使えば、各県で作成している教育職給料表のモデルとなる旧教(二)(三)が適用される職員に支給される管理職手当の算定基礎とすべき中位号俸を割り出し、手当額を算定することができそうである。実際には、全人連が(財)日本人事行政研究所に委託して作成済みだが、ここで算定基礎となる中位号俸を確認しておこう。
行(一)の各級の中位号俸からこれに対応する旧教(二)(三)の各級の中位号俸を求める。
<旧教(二)(三)の各級の中位号俸>
行(一) 大卒経験 年齢 旧教(二) 旧教(三)
8-29 27年0月 49歳 4-17
7-38 26年3月 48歳 3-54 4-14
6-61 29年0月 51歳 2-117 3-81
5-74 30年3月 52歳 2-134
<旧教(二)(三)の各級の中位号俸の俸給月額>
旧教(二) 旧教(三)
4-17 455,000円 4-14 434,300円
3-54 433,300円 3-81 429,900円
2-117 417,300円 2-134 408,300円
旧教(二)(三)の3級は、3級加算額を加算した額が俸給月額となるが、当然、この3級加算額を加算した額が管理職手当(俸給の特別調整額)の基礎になる。そういう目で算出してみた中位号俸の額を注意深く見ると、この段階でおかしなことになっていることに気づく。旧教(三)の3級と4級が逆転してしまうのである。
<旧教(三)の中位号俸の逆転>
4-14 434,300円
3-81 429,900円+7,500円=437,400円
全人連のモデルはどうであろうか。結論を急げば、管理職手当の基礎となるべき中位号俸は、前記のとおりである。では、旧教(三)の3級と4級の逆転についてはどうかというと、何故か3級加算額を含めない額で定額化後の手当額を算定している。確かにこうすれば基礎額の逆転は生じないのだが、3級加算額を含めないこととする理由については沈黙している。人事院のやり方を単純に適用し、「行(一)において用いる号俸に相当する号俸」を取り出せばこうなるよと示しただけで、積極的に3級加算額により生じる問題を解決しようする意志までは感じられない。何をどう考えているのか、問題だと考えているのか、いないのかさえ分からない。どうも他人事のような取り扱いをしている気がしてならない。
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