98. 役職段階別加算割合(その2) [13.役職段階別加算]
次に、これに対して、文部科学省の総務省案に対する修正案とはどのようなものか確認しておこう。
<退職手当の調整額の区分に係る文部科学省修正案 ※一部補記>
調整額の区分 行(一) 教(二)(三)
4号 11級(役職20%) 4級(特大規模校=役職20%)
5号 10級(役職20%) 4級(大規模校=役職15%)
6号 9級(役職15%) 4級(役職15%)・3級(大規模校=役職10%)
7号 8級(役職15%) 3級(役職10%)・2級(30年=役職10%)
8号 7級(役職10%) 2級(役職5%)
9号 6級(役職10%) 2級
10号 4・5級(役職5%) 1級(役職5%)
11号 1~3級(役職0%) 1級
一見して分かるように、総務省案と比べて、教(二)(三)の退職手当の調整額を決定するための貢献度の評価が1~2ランク高くなっている。文部科学省は、従来の行(一)との関係を踏まえた案と説明しているようであるが、なるほど、教(二)(三)の俸給表について考察してきた格合わせ方式で対比しているようである。教(二)(三)をまとめて示しているため、少し違う部分はあるこのの、教(二)2級が行(一)の8級までブリッジしていることや、教(二)1級の考察で見てきたように、それが実質的に行(一)4級まで到達していることを反映したものであることが分かる。「4級(特大規模校)」の部分が格合わせより高くなっているのは、より低い職務の級から順に積み上げた結果、このような修正案になったのではないだろうか。いずれにせよ、当然ではあるが、文部科学省は「格合わせ方式」を理解の上、その方式で貢献度を評価することが妥当であると主張したのであると考えられる。
各県では国からいわば二つの考え方が示されたのだから混乱するはずである。総務省案でいけば教(二)(三)は行(一)との対比で確実に水準が下がってしまう。一方、義務教育費国庫負担金の対象から外された退職手当の水準に関しては、文部科学省といえども公式には指導助言できないし、何の縛りも掛けられない。おそらく、各県の県庁内部で財政当局と教育行政当局との間で厳しい調整が行われたのではないだろうか。
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