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119. 義務教育等教員特別手当(その2) [16.教員特別手当]

 義務教育等教員特別手当は、人材確保法に基づく教員給与の第二次改善措置の一環として、昭和50年1月に設けられた手当である。人事院勧告の説明によれば、義務教育諸学校の教育職員に優秀な人材を確保するために、人材確保法に基づき当該職員の給与の水準を特別に引き上げることとするものの、俸給表の改善により措置することは他との均衡上おのずからの限度があり、その限度を超える部分についてはこの特別手当により措置することとするのが適当であると説明している。
 この手当の月額は、他の手当と比べて、特異な定め方をしている。旧人事院規則九-六八(義務教育等教員特別手当)の別表を見れば分かるが、その形は俸給表と全く同じなのである。先の人事院の説明を深読みすれば、教(二)(三)以外の俸給表への影響を考慮しないでよいなら、本来この手当は、俸給月額そのものを特別に引き上げるためのものであるということだ。従って、手当月額の規定の仕方は、「俸給月額×支給割合」ではなく、俸給表とまったく同じ形(百円単位で定めることも含めて)を採用したのだと考えられる。
 しかし、産業教育手当や定時制通信教育手当と同じように「俸給月額×支給割合」でもよいではないか。そうすれば、給与改定に伴い、自動的に手当額は増減されることになり、教員給与の第三次改善で確保された俸給月額の6%相当の水準が低下することなく、現在に至っても保持されたはずである。しかし、人事院はそうしなかった。
 どうもそれは財政上の理由からであるらしい。当時確保された教員給与特別改善の予算の範囲内で改善を行ったらしいのだ。従って、改善措置が終了すれば、これ以上は増額できないという理屈なのだろう。だが、何故、こんな形を採用したのかを説明する制度的理由にはならないと思う。本来的には義務教育諸学校の教育職員の給与水準、すなわち公務部内における給与上の評価を表示する俸給月額と一体となるべき職務給的な給与という性格を付与したかったのだろうが、その限度を超えてしまったがために、仕方なく下駄を履かせるだけの手当に止めざるを得なかったというところか…


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