123. 義務教育等教員特別手当(その6) [16.教員特別手当]
次に、号俸延長された部分に着目してみたい。
全人連モデルでは、号俸延長した部分の義務教育等教育特別手当の俸給月額に対する割合については、改定前の最高号俸である2-39に対応する2-137の割合である4.3%を維持したものとなっている。これは、どういう考えによるのだろうか。モデルでこのような形を採用した理由は説明されていない。
そこで、昭和53年に今回の号俸延長に相当する号俸が存在していたとしたならば、義務教育等教員特別手当はいくらになっていたであろうか、ここで考えてみたい。号俸延長の手法は、単純に枠外号俸の考え方に従って2,600円づつ増やしていくこととする。そして、当時の義務教育等教員特別手当の俸給月額に対する割合は6.0%であるから、これを号俸延長後の俸給月額に乗じ、100円未満を切り捨てすればよい。
<昭和53年に号俸延長したと仮定した場合の義務教育等教員特別手当>
大卒制度年数 教(三) 俸給月額 義務特 割合
30 2-35 280,600 16,800 6.0
34 2-39 294,000 17,600 6.0
35(延長) 2-40 296,600 17,700 6.0
36(延長) 2-41 299,200 17,900 6.0
37(延長) 2-42 301,800 18,100 6.0
これを、前回確認した実際の全人連モデルと比較すると、大卒制度年数で36年、37年については、こちらの方が100~200円高くなっている。
<全人連モデルの号俸延長部分>
大卒制度年数 新教(三) 俸給月額 モデル義務特 割合 昭53義務特 割合
35 2-141 412,100 17,700 4.3 17,700 4.3
36 2-145 414,300 17,800 4.3 17,900 4.3
37 2-149 416,500 17,900 4.3 18,100 4.3
昭和53年の俸給表の号俸延長を単純に枠外号俸で考えたことがいけないのであろうか。しかし、例えば、教(二)は教(三)とのバランス上、教(二)の号俸に制度的に対応する教(三)の号俸に係る義務教育等教員特別手当としている訳だが、教(二)1級は教(三)1級と比べて号俸数が多く、高位号俸になると制度的に対応する号俸がないために、教(三)1級の枠外号俸を想定して6.0%を乗じて算出しているようなのである。従って、今回、考えてみるに当たって、義務教育等教育特別手当の沿革的な経緯を踏まえ、教(三)2級の枠外号俸を想定して手当額を算出しても、あながち間違いとはいえないと思うのだが…。
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