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135. 産業教育手当(その8) [17.産業教育手当]

 ところで産業教育手当の支給率は10%となっている。この10%の根拠はどこにあるのだろうか。
 しかし、法律上は、当初から「その者の俸給月額の百分の十に相当する額を超えない範囲内において、産業教育手当を支給する」とされていたにもかかわらず、創設当時の昭和32年4月の支給率は7%であった。その後、昭和45年になって10%に引き上げられ、昭和16年4月の国立大学法人化の直前までその支給率となっている。

 創設当時の支給率7%については、どうも予算上の問題のようである。例えば、昭和32年5月18日の参議院文教委員会では、次のような議論が行われている。
<参議院文教委員会 昭32.5.18>
○衆議院議員(赤城宗徳君) 私どもの調査によりまするというと、農業関係で全日制の教員数は五千八百六十七人であります。定時制が一千六百十五人、この計が七千四百八十二人であります。水産の方で全日制が三百九十四人、定時制が三十五人、この小計が四百二十九人で、全部といたしまして七千九百十一人が対象になっておるわけであります。それにつきまして月額の、法案のように百分の十を産業教育手当として支給するといたしまするならば、二億一千九百十六万余かかるわけであります。それから百分の六の場合はどうかという計算もいたしましたが、それについては、その数字は一億三千百四十九万、こういう数字になっておるのであります。
 そこで予算の措置でありますが、この辺を法案提出前に予算の折衝などをいたしましたので、予算といたしましては、自治庁の地方財政計画の中に地方の財政需要額として一億六千五百万ほど組まれておるように承知しております。
○高田なほ子君 そういたしますと、大体予算の面から考えると、百分の六程度のところに落ちつくということになるわけですか。
○衆議院議員(赤城宗徳君) この法案によりますと二億一千九百万、それから百分の六というと一億三千百万、そのちょうど中間ぐらいの一億六千五百万、こういうのが予算に載っておるわけであります。でありますから十分の一ということじゃありませんで、この法案で支給できる程度の額が見積られております。
○高田なほ子君 大へん技術的なことを伺いますが、この法文によりますと、百分の十以内というふうには法文には表わされて、また提出者の側としては本俸額に定率をかけたものというふうな表現にしてあります。従って今度地方交付税の中に入っているのは一億六千万だとすれば、大体百分の六ないし七というような数字が出てくるように思いますが、という質問をしたのです。そうなのですね。
○衆議院議員(赤城宗徳君) わかりました、お説の通りであります。百分の十以内でありますから、正確な計算を持っておりませんが、八か七かその程度になると思います。

 地方財政計画に計上された「一億六千五百万」を「二億一千九百万」で割ると、約0.75という率が算出されることになるのである。


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