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190.トピック=教職調整額の廃止 [8.トピック]

 文部科学省内に設置された有識者会議「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」が、去る9月8日に「審議のまとめ」を公表した。内容の詳細は、文部科学省のHPに譲るとして、ざっと読んでみた感想としては、教職員組合を含む関係団体からの様々な意見を(対立するものも含めて)取り上げ、教育関係者に対して、教員の勤務時間管理の在り方や時間外勤務の実態に応じた処遇などについて、まずは問題提起する内容になっている。
 10月3日付けの「内外教育」紙に、検討会議主査を務めた小川正人放送大学教授のインタビュー記事が掲載されている。タイトルは、「きょういくズームアップ=『教職調整額は廃止し時間外手当化を』」となっている。

 「しかし、そこまでは『前提』の話です。少し『本音』の話をしましょう。現実を見てみると、教員の勤務は、教員免許更新制が来年度から本格実施されるなど、資質向上の面も含めて以前より厳しくなっています。一般公務員と比べても厳しいものがある。一方、給与では一般公務員並に変えていくというわけですから、少しアンバランスです。」
 「一方、二○○六年度に文科省が実施した教員勤務実態調査で教員の超過勤務が月約四十時間に上るなど、厳しい実態が明らかになっています。そうした中、さらに教員給与を削減するというのは、施策を進める側の文科省にとっても実はかなり厳しいものがある。そうであれば、給与制度は教員の超過勤務の実態に合った、できるだけ『ましなもの』にした方がよい。」

 おそらく、この小川氏の述べたことが、文科省の本音と受け止めてよいのだろう。小川氏は、最後の部分では、次のように述べている。

 「…教師の専門性とは何か。何がほかの職種と比べて違うのか、特殊なのか。その場合、どんな評価と賃金のルールがあり得るのか。時間外手当制度を導入するにしても、国はモデルをつくらなければならないでしょう。中央教育審議会が国民の前でオープンな議論をすべき内容のものでしょう。…」

 今後の中教審での議論に注目したいところである。しかし…、早くも心配になってくる。仮に、この記事のタイトルのように、教職調整額を廃止に時間外勤務手当制度を導入した場合には、おそらく、財務省サイドは、その予算を絞りにかかるだろうと思われることである。現行の教職調整額が4%とされた経緯には、表向きは文部省の調査に基づいているのだが、どうも一般行政職に係る超勤手当予算が6%であったことを横にらみしているふしがあることについては、以前にも触れた。
 小川氏は、インタビューに答えて、次のようにも述べている。
 「ともあれ、そうした勤務実態に見合った額で、なおかつめりはりを付けることに対応しようとすると、時間外勤務手当を支給するのが妥当、となる。時間外手当は最大で7、8%といったところが想定されているようです」と。

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