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191.古書散歩(その5)=『改正教職員給与の解説』 [24.古書散歩]

 教職員給与制度の歴史的変遷とその特徴をすべて理解するのは、一般の公務員とは違った取扱いも多いために、なかなか難しい面があるだろう。そのような悩みに応えてくれる学習書がある。何をもって「古書」と呼ぶのかは別にして、昭和61年11月に学事出版から発行された「学校事務、11月臨時増刊『改正教職員給与の解説』」である。著者は、横山英一(日教組組織部長=当時)と平沢保人(日教組生活部長=当時)で、巻頭に、森信夫元人事院給与局給与第一課長が「推せんの言葉」を寄せている。

 第Ⅰ編「序論」では「教職員のくらしの状況」を取り上げているが、この学習ノートの観点から注目すべきは、次の第Ⅱ編「教職員給与制度の変遷」である。ここでは、「天皇の官吏」であった戦前の給与制度から説き起こし、戦後の給与制度が確立していく様子を、俸給表の変遷を中心に、官吏俸給時代、三本建給与、8等級制=「職階・職務給」制度の創設を説明している。そして、給特法と人確法の成立過程と内容を説明した後、11級制への見直しに及んでいる。
 日教組の役員が書いたものだけに、文部省との文書確認事項や口頭確認の内容が掲載されていたり、人確法に基づく特別改善の効果について、文部省の公式見解とは違った分析結果を述べていたりして、なかなか興味深いものがある。


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