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228.昇給間差額(その3) [28.昇給間差額]

 昭和32年の俸給表は、それまでの15級制の俸給表を苦心して切り替えた直後のものであり、現在の昇給間差額とはまったく異なる様相を示している。同年齢で同じ昇給間差額では昇格しても一見メリットがないように見える。実は、8等級制に移行し、昇給期間が原則12月となったのだが、上位の号俸では15月、18月、21月、24月と長くなっていくのである(その有り様は等級ごとに少しずつ異なっている。)。そうなると、同じ俸給月額であっても、上位の等級では昇給期間12月であるのに、下位の等級では昇給期間が12月を超えた形になってくる。つまり、最高号俸に到達するには、号俸の数より3~4程度長い年数が必要になり、最終的に実質の昇給間差額は、見かけの昇給間差額の半額となるのである。

 さて、この昇給間差額を俸給月額で除した昇給率で見るとどうなるであろうか。詳細は省くが、見かけの昇給額は上位の号俸に上がるにしたがって高くなっていくのだが、実質の昇給額は後半下がっていく。昇給率で見ると、上位の号俸に上がるに従って概ね下がっていく。また、職務の級が上位になるに従って平均昇給額は上がっていくのだが、昇給率で見ると、上位の級ほど概ね低い率となっている。
 実質の平均昇給率を記載しておく。(実質の昇給率の取り方はなかなか難しい。)
 <昭32行(一)平均昇給率>
  1等級 4.2~3.4% 平均3.8%
  2等級 5.2~1.9% 平均3.4%
  3等級 5.6~2.3% 平均3.8%
  4等級 5.6~2.2% 平均4.2%
  5等級 6.5~2.4% 平均4.4%
  6等級 8.1~2.4% 平均4.8%
  7等級 8.2~2.8% 平均5.5%
 <昭32教(二)平均昇給率>
  1等級 4.7~1.5% 平均3.2%
  2等級 10.2~1.7% 平均4.5%
 <昭32教(三)平均昇給率>
  1等級 4.9~1.6% 平均3.4%
  2等級 8.2~1.9% 平均4.4%
 こうして見ると、見かけは通し号俸なのだが、昇給期間の延長を加味すると、現在の形に近づいてくるのである。

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