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245. 博士課程修了(その5) [31.博士課程修了]

 この間、「初任給基準における博士課程修了」をテーマに考察してきたが、ここで、当時の国会において何か議論されていないか、会議録をみておきたい。
まず、少し遡って、昭和31年に国会に提出された高学歴是正を内容とする給与法改正案の提案理由を引用しておく。

 <衆議院内閣委員会 昭和31年04月12日>
○赤城宗徳君 ただいま議題になりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由について、御説明いたします。
 現在、教育職員の給与制度は、学校の種類、職種、学歴、経験年数の四要素をもって構成されております。そのうち、特に経験年数の要素が重要視されておりますことは御承知の通りでありますが、学歴等他の要素は、俸給決定の上に、大きな比重をなしていないのであります。しかしながら、教育職員の特殊性にかんがみるとき、学歴の要素は、相当高く評価すべきものと考えます。文教行政の一端を示す教育職員免許制度を見ても、この点が高く評価されており、その学歴の相違がそのまま免許状の相違に結びつけられ、教育職員の職務と密接な関係が保たれているのであります。しかるにこの学歴の要素が、給与制度に明確に反映せしめられておらぬため、同一年令の者を比較した場合、高学歴者は低学歴者に比して、必ずしも高い給与を受けているとは限らないという均衡を伴わない現状に遜るのであります。この点、文教政策と人事管理の不一致に、矛盾を感ぜざるを得ないのであります。
 かかる状態のままでは、高学歴職員の士気に影響を及ぼし、教育を沈滞せしめ、学校教育の遂行に支障を来たすおそれもありますので、これら高学歴者の俸給額の調整をはかるべく、本改正法条を提出いたした次第であります。
 改正点の要旨を申し上げますと、第一点は、高等学校教育職員級別俸給表及び中学校、小学校等教育職員級別俸給表の適用を受ける教育職員中、旧制大学もしくは新制大学を卒業した者、旧中学校高等女学校教員免許状もしくは旧高等学校教員免許状を有する者、または人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者等、いわゆる学歴、資格の高い者につきましては、予算の範囲内で、人事院の定めるところにより、二号俸をこえない範囲内におきまして、俸給月額を調整することができるものといたしたことであります。
 第二点といたしましては、人事院は、教育職員の初任給基準につきましても、右の趣旨を考慮して、適切な措置を講じなければならないものといたしたことであります。
 所要経費といたしましては、国立学校分納一千五百万円、公立学校国庫負担分約三億六千五百万円、合計約三億八千が円であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

 参議院内閣委員会(昭和31年04月19日)にも同じ内容の提案理由が記録されている。

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