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251.トピック=教員給与と政治主導 [8.トピック]

 去る3月17日、文部科学省と全教との交渉が行われたようである。全教の2010春闘要求を受けて交渉が行われ、文部科学省側は高橋道和財務課長らが対応したようである。その概要が全教のホームページに掲載されているので、教員給与関係部分を抜粋しておく。

<教職員給与について> 文科省;「2.76%の給与縮減方針は撤回」
 「旧政権下で2.76%の給与縮減行われてきたが、昨年12月の財政当局との政務三役折衝において基本的に、この方針の撤回を確認した。したがって教職調整額の見直しは、白紙に戻ったという理解だ。一方で、予算要求した定数改善300人と自然減の3千900人を含めれば4千200人の定数改善となる。きわめて財源が厳しい中で、4200人の財源をどうするかが問題となり、政務三役の折衝の中で、従来の2.76%の縮減は撤回するけれども、今回の義務特手当、給料の調整額の若干のカットはやむをえないということになった。教員の給与以上に、子どもたちのことを考えた苦渋の選択と聞いている。」

<教職調整額の見直しについて> 文科省;「見直しは白紙に、今後の方針はない」
 「教職調整額の見直しは白紙に戻ったが、今政府の中で今後の方針があるわけではない。時間外勤務手当についても、いまのところ、どうこうするということは考えていない。今後、給与の見直しということが出てくれば、また議論されることになる。ただ、今の政務三役の姿勢からすると定数改善を最優先していくということになるのではないかと個人的には思っている。」

 文部科学省の回答を単純化すれば、「定数改善の財源に充てるために教員の給与をカットした」との説明である。公務員の給与は、情勢適応の原則、より具体的には官民均衡を基本とする民間準拠の原則に基づき定められることになっている。その他の事情を考慮するとしても、財政上の事情は含まれないとするのが基本のはず。引用した文部科学省の回答は、どのように理解すればよいのだろうか。
 人事院によって官民均衡が図られるのは、行政職俸給表(一)適用者であり、その他の俸給表適用者の給与水準は、直接官民均衡が図られる対象ではなく、民間準拠を基本としつつも、具体的には公務部内における均衡を図る方法を採用していると理解してよい。このことは、旧教(二)(三)適用者も同様の事情であり、今回更に教員給与を引き下げるのであれば、公務部内における均衡関係を変更することにほかならない。この間の教員給与見直しの過程では、教員給与の一律優遇が問題視されてきたが、優遇度合いを測る客観的な物差しが示されたとは言い難い。それでは何を根拠に今回の引き下げ幅を決定したのか。結局、人材確保法に基づく教員給与の特別改善は時の政権与党の政治判断による予算措置でその幅を決めたのだから、それを縮減する場合も新政権の政治主導による予算措置で決めればよいということか…。

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