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253. 部活動指導と給与(その4) [32.部活動指導]

 この問題の考察を進めるために、少し遠回りにはなるが、教員の職務と社会教育との関係について、給特法制定時の文部省がどう考えていたのか確認しておこうと思う。
 昭和46年に社会教育局長名で各都道府県教育委員会教育長あてに通知が発出されている。以下に抜粋してみる。

 「家庭教育学級の開設および運営について」(昭和46年11月15日付け文社婦第172号社会教育局長通知)抜粋
 また、従来、家庭教育学級の運営にあたつて、その講師・助言者等の役割を果たす教員の勤務時間について論議がありましたが、このたび、「国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(昭和四六年法律第七七号)および関連規程の制定公布に伴い、事態を明らかにする必要が生じました。
 よつて、この際、家庭教育学級の開設および運営等に関し、小職の見解を左記のとおり述べますので、管下市町村に対する指導にあたつて参考にしてください。
                   記
3 教員の勤務時間と家庭教育学級との関係について
 従来、家庭教育学級の運営に際して、それが小学校および中学校の校舎内で行われることが多かつたことから、家庭教育学級の業務に従事する教員の勤務関係に明確を欠く点があつたが、「国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(昭和四六年法律第七七号)および「教育職員に対して時間外勤務を命ずる場合に関する規程」(昭和四六年文部省訓令第二八号)の制定公布にともない、当該勤務関係を明らかにする必要が生じたので、こんご、家庭教育学級の事業に従事する教員の業務は、その校務遂行に属するものではなく、一個人としての学識経験者が社会教育の事業に従事しているものであることを理解し、教員を家庭教育学級の講師・助言者等として委嘱する場合は、原則として、勤務時間外に、かつ相当の謝金を用意して行うようにすること。

 抜粋であるために敢えて補足をすれば、ここで取り上げられている家庭教育学級の運営主体が教育委員会であることに注意が必要である。この社会教育局長通知を消極的に捉えれば、「小中学校の教員の任命権者は県教委であって、家庭教育学級の運営主体である市町村教委ではないから、そこには雇用関係はない」と主張しているようにも理解できる。そのように理解した場合には、県立学校の教員を県教委主催の学校開放講座の講師・助言者等として委嘱した場合にはどうなるのかとの疑問が生じる。しかし、おそらくはそのように消極的に捉える必要はなく、むしろ、家庭教育学級に限定せず、広く社会教育の事業全般にわたって同じ考え方を採用すべきであろう。
 その上で、教員が部活動の指導業務に従事した場合と社会教育の事業に従事した場合とでは、いったい何がどの様に違うのかを考察してみることも有意義であろうと思うのである。それは、見方を変えれば、雇用関係にあるのかないのか、当該業務への従事は労働としての労働に当たるのかどうかという問題に帰着しそうである。


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