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285.へき地手当(その10) [35.へき地手当]

 前々回と前回では、旧特地官署指定基準との対比をしながら、新旧のへき地学校等指定基準を概観した。
 今回は、平成22年4月に抜本的に見直された新たな特地官署指定基準について概観しておきたい。

 平成22年4月1日を実施時期とする「特地官署等の見直しについて」と題するペーパーがある。指定基準は、別添の「特地官署等の指定基準」のとおりとされ、抜本的な見直しになっている。
 新たな特地官署等指定基準は、本土に所在する官署については、官署と最寄りの人口集中地区又は準人口集中地区との間における所要時間に応じて、離島に所在する官署については、離島と本土の連絡港との間の距離及び月間航行回数に応じて、級別区分が設けられた。改正されるまでの旧指定基準が採用していた合計点数による級地区分や基準点数表などは陰も形もなくなり、きわめてシンプルな基準に見直された。
 抜本見直しの理由は示されていないが、おそらく、平成の市町村合併に伴い、官署を取り巻く状況は合併前後で同程度であっても、旧基準によって点数化した場合には、アンバランスになるケースが続出したのではないかと想像する。つまり、合併した市町村に所在する官署のうち、合併後の市の中心地=最寄りの市役所までの距離が遠かった官署の場合には、基準点数がその分アップするからである。確かに、市町村が合併したところで、当該官署の所在する地域における生活の困難さや勤務の厳しさの変化に直結するものではないと思われる。しかも、合併した地域もあれば、合併しなかった地域もある中で、従前の指定基準の構造を前提にして補正をしようとしても、要素が複雑になりすぎ、かえって不合理な面がでてくることも容易に想像できる。給与構造改革の一環という位置づけではないにしても、我が国の交通事情等の現状を踏まえて、この際、思い切って基準を合理化し、その構造を抜本的に改革するに至ったのではないだろうか。

 ところで、実際の特地官署等の格付けはどのように変化したのだろうか。本土における格付けの変化を官署の数により概観しておく。
 <旧格付け>
 4級地 1官署
 3級地 3官署
 2級地 17官署
 1級地 20官署
 準特地 39官署
  計  80官署
 <新格付け>
  4級地 2官署
  3級地 1官署
  2級地 11官署
  1級地 20官署
  準特地 14官署
   計  48官署

 こうしてみると、4割に当たる32官署が指定外となっている。1級地以上の官署は、マイナス7官署、準特地だけでマイナス25官署となっている。もっとも、指定外となった官署の内、冬期のみの準特地に指定されている官署が7官署あるから、それを加えると新格付けの官署は計55官署となるが、それでも約3割に当たる25官署が指定外になったことになる。個別に官署を見ていけば、級地がダウンしたところ、変更のなかったこところ、級地がアップしたところと様々ではあるが、格付けの見直しを総体として見れば、やはり厳しいものであったと言えるだろう。

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