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370.読書=『もじれる社会』 [29.読書]

 本田由紀『もじれる社会-戦後日本型循環モデルを超えて』(ちくま新書、2014年)
 本書の帯の説明では、「「もじれ」=もつれ+こじれ」と表現されている。
 まえがきには、次のように書かれている。

 本書の奇妙なタイトルは、筆者がかつて書いていたブログ「もじれ日々」に由来する。「もじれ(る)」という言葉は、辞書によると、よじれる、ねじれるといった意味をもつ。しかし私は、それに加えて、もつれる、もじもじする、こじれる、じれる等々が混ざり合った、悶々とした感覚を言い表すものとして、その言葉を使っている。

 著者は、「戦後日本型循環モデル」の崩壊・終焉と、それに代わる新たなモデルの形成に向けた「もじれ」の状況について、仕事、教育、家族のそれぞれの場面で議論を展開していく。
 「戦後日本型循環モデルの終焉」と題した第二章の第二節「激動する社会の中に生きる若者と仕事、教育」で、著者は「社会変化の見取り図」を提示する。そこでは、1960年代半ばから直近までの時間の流れを横軸にして、様々な社会的指標、統計データを一度に書き込んだ上で、経済成長率によって画される時期区分を付記した図を描き、経済の推移が、様々な社会指標に反映されている状況を読み取っていく。完全失業者数、非正規雇用者比率、貯蓄非保有世帯比率、生活保護受給世帯数のほか、大学・短大進学率などについても見ていく。
 そして、第4章では、普通科高校の抱える問題点を指摘し、教育の職業的意義の考え方を論じた上で、専門高校の職業的意義についてデータを示しながら再発見する。

 給与制度を考えることに直結するものではないけれども、考えるベースの理解につながる本の一つと言える。

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