SSブログ

413.27年俸給表改定(その6) [48.27年俸給表改定]

 前回、旧教(三)の特2級の43号俸から64号俸までと3級の37号俸から56号俸までの改定額が四捨五入計算による額に一律100円を積んだ額となっていることについて、少し考えてみた。その理由については、よく分からなかったのだが、それはちょっと脇に置いておいて、気になることがある。
前回、さらっと触れたのだが、その部分をもう一度掲載してみる。

「旧教(三)について、俸給制度曲線を作成してみると、特2級と3級の上位曲線が下の方に曲げられ、1級下位の曲線に近づいている様子が見た目で分かる。とりわけ、3級はググッと押し下げられた感じであり、例えば、最高号俸の額を比較すると、特2級の号給延長後の最高号俸である117号俸415,400円に対して、3級の93号俸は421,100円であり、僅かに5,700円上回っているに過ぎない。(行(一)で最高号俸の差が一番小さいのは4級と5級であり、それでも12,000円である。)もちろん、3級には加算額があるので、旧教(三)の場合は7,500円を加算することから、93号俸の俸給月額は428,600円となり、13,200円上回っていることになる。しかし、そもそも3級の加算額は教職調整額との関係から設定されていることを考慮すると、特2級117号俸の額に教職調整額を加算した432,016円と比較すると、7,500円を加算しただけでは、3,416円のマイナスになってしまう。」

 旧教(三)の3級の最高号俸の俸給月額(3級加算額を加えた額)は、特2級の最高号俸に教職調整額を加算した額よりも低い額になっているのである。
昇格時に逆転する場合には、3級加算額については7,500円ではなく、逆転防止措置として、昇格前の特2級の俸給月額に教職調整額を加えた額を100円単位で切り上げた額とすることを規定している県がある。しかし、そうしたとしても、最高号俸の本俸に相当する額が逆転するというのは、いいのだろうか。

 本俸に相当する額が逆転すると、それを基礎とする手当の額が逆転することになる。毎月支給される給与については、管理職手当が支給されるため、手取りは3級の方が多くなるだろう。しかし、とりわけ、ボーナスについては、基礎額を算定するための役職段階別加算割合は同じ10%(副校長は15%)であることから、やはり、逆転してしまうのである。これはどう考えてもおかしいのではないか。
 さらに言えば、退職時に最高号俸に到達した者同士を比較すると、退職手当の額が逆転する場合だって起こりうるではないか。全人連の人達は、この辺りのことについて考えていないのだろうか。

 ところで、特2級創設時点では、旧教(三)の3級の最高号俸の俸給月額(3級加算額を加えた額)と特2級の最高号俸に教職調整額を加算した額との逆転はなかった。この点については、このノートで取り上げ、特2級創設時の全人連モデルでは配慮したのではないかと推測したことを述べていた。(158.特2級創設=全人連モデル(その7))

<特2級創設時点の旧教(三)特2級・3級間関係>
 モデル給料表(平成20年4月制度改正)
 3級93号俸   438,100円 7,500円を加算→445,600円
 特2級109号俸 428,300円 教職調整額を加算→445,432円

 かろうじて(168円)逆転が防止されている。
 このことに関して、平成20年2月1日付けで出された全人連モデルの資料「「特2級」新設に係る教員給与に関する「参考モデル給料表」には、次のような説明が記されている。

「6 末号の位置と最高号俸の水準
(2) 旧教育職俸給表(三)
 大卒制度年齢55歳で設定する。
 現行の2級又は3級と同程度の昇給回数を確保するとともに、特2級最高号俸の教職調整額込みの水準と3級の備考加算額込みの昇格対応(注)の水準比較で特2級の方が高いという逆転減少が生じないよう、末号の位置は大卒制度年齢55歳で設定している。」
 (注)特2級最高号俸(109号俸)の昇格対応号俸は、3級最高号俸(93号俸)である。

 しかしである。早くも、平成21年の人事院勧告に伴う全人連モデルの改定の際には崩れ去ってしまっている。この年の給料表の改定は、平均0.2%の引下げであったが、初任給など若年層の俸給月額の引下げは行わないこととする一方、管理職層については平均0.3%の引下げとするなど、一律的な改定手法ではなかった。ちなみに、旧教(三)の級別の平均改定率(制度値)は、1級=△0.1%、2級=△0.1%、特2級=△0.2%、3級=△0.3%、4級=△0.3%であった。その結果は、次のようになった。

<平成21年較差改定後の旧教(三)特2級・3級間関係>
 3級93号俸   437,000円 7,500円を加算→444,500円
 特2級109号俸 427,500円 教職調整額を加算→444,600円

 制度創設時におけるモデル給料表の作成に当たって、あれだけ慎重に逆転防止に配慮したにもかかわらず、何の説明もなく、マイナス100円となってしまったのだ。そして、現在まで続いているのである。なんということか…。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。