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446. 地公法及び自治法の改正案(その2) [46.臨時・非常勤教員]

 今回は、この地公法及び自治法の改正に伴って、関係する法律の規定整備が行われるのだが、教職員に関わる部分を確認しておく。

 まず、市町村立学校職員給与負担法の一部改正。
 第1条中の「及び職務を行うために要する費用の弁償」を「、職務を行うために要する費用の弁償及び期末手当」に改めることとなっている。
 この条は、市(指定都市の除く。)町村立の義務教育諸学校の基幹的な職員に対する給料、手当及び旅費並びにいわゆる定数活用の非常勤講師に対する報酬及び費用弁償は、都道府県の負担とするものなのだが、今回の自治法改正によって、パートタイムの会計年度任用職員に対して期末手当の支給が可能とされたことから、定数活用の非常勤講師に対する期末手当についても、都道府県の負担となるように改正しようというになっている。

 次に給与に関わって出てくるのは、定通振興法と産業教育手当法である。
 これは、定時制通信教育手当及び産業教育手当の支給対象となる職員のうち講師については、現行では「常時勤務の者及び再任用短時間勤務職員」に限っていたのだが、今回これに地公法第22条の2第1項第2号の職員、すなわちフルタイムの会計年度任用職員を追加する案となっている。

 うん? 市町村立学校職員給与負担法の改正内容をもう一度見ておく。給料、手当及び旅費の支給対象である基幹的な職員のうち講師についての定義は、どうなっていたか…。
 「講師(常勤の者及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める者に限る。)」のまま改正されず、フルタイムの会計年度任用職員を追加する案とはなっていない。従来、官吏又は吏員に相当する職員の給与等を都道府県の負担とするものであったのだから、その考え方を引き継いだということのようである。
 そうなると、微妙な問題が発生するのかもしれない。今回の地公法改正では、臨時的任用厳格化を求めるものとなっている。すなわち、国と同様に「常勤職員に欠員を生じた場合」という文言を挿入し、それ以外の場合を認めないというのである。
 昨年12月に取りまとめられた総務省の研究会による報告書「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書」の記述では、「臨時的任用職員のうち、パートタイムで任用されている者は、一般職非常勤職員に移行する一方で、フルタイムで任用されている教員などは、必要な要件に該当する場合引き続き臨時的任用職員として任用されることも想定される。」とあるのだが、「必要な要件に該当する場合」との限定が付されていたのであった。
 ということは、もし、現在、各都道府県で臨時的に任用されている常勤講師の中に「常勤職員に欠員を生じた場合」に該当しない者がいるとするならば、都道府県費負担にならないという事態になりそうな気がする…。
 文部科学省は、各都道府県の任用実態を把握しているのだろうか…。

 次に、地教行法の一部改正の内容を見ていくと、県費負担教職員のうち非常勤講師の報酬等について都道府県の条例で定め、その身分取扱いについて都道府県の定めの適用があることを規定した第47条の3が削除されることとなっている。
 これは、現行では非常勤講師は特別職の非常勤であり、地公法が適用されなかったことから地教行法第42条の適用外であったのだが、今回の地公法改正により一般職の非常勤となったことによって地公法が適用されることとなるため、同条が適用されることになるということなのだろう。

○地方教育行政の組織及び運営に関する法律(抜粋)
(県費負担教職員の給与、勤務時間その他の勤務条件)
第四十二条 県費負担教職員の給与、勤務時間その他の勤務条件については、地方公務員法第二十四条第五項の規定により条例で定めるものとされている事項は、都道府県の条例で定める。

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