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467. 公務員法と労働法の交錯 [29.読書]

 小嶌典明・豊本治『公務員法と労働法の交錯』(ジアース教育新社、2018年3月)
 小嶌氏は、大阪大学名誉教授で、労働法、公務員法等が専攻分野。規制改革委員会の参与等として雇用・労働法制の改革に従事されたと紹介されている。

 まえがきに、「公務員法がわかれば、労働法の理解も深まる。本書は、こうした編者が共有する考え方から誕生した。」とある。目次をみると、「民間とは異なる退職手当の仕組み」、「労働関係法令は適用除外が原則」、「無理のある行政機関への派遣法の適用」…。地方公務員への労働基準法の適用の章では、「労働基準法の原則適用と国家公務員準拠」、「労働基準法適用の限界」…。臨時・非常勤職員にかかわる章でも面白そうな項目がずらりと並ぶ。

 初出はいずれも『阪大法学』であり、学術誌だけにマニアックである。知らなかったことも多々あり、「そうだったのか!」と思わせる記述が盛りだくさんである。「臨時・非常勤職員制度がわかれば、公務員制度の理解が深まる。」と思っていたものだが、違いに着目しながら細部に分け入っていくことで、格段に理解が進むのである。勉強になります。
 小嶌氏の著書で『法人職員・公務員のための労働法72話』(ジアース教育新社、2016年1月)・『法人職員・公務員のための労働法判例編』(ジアース教育新社、2016年2月)も面白い。併せて、お薦めです。

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