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470. 平成30年勧告による俸給表の改定 [8.トピック]

 8月10日に平成30年の人事院による給与勧告が行われた。例によって、どのように俸給表が改定されたのか考察する。

 まず、報告から該当部分を引用する。

4 本年の給与の改定等
(2) 改定すべき事項
ア 俸給表
(行政職俸給表(一))
 民間との給与比較を行っている行政職俸給表(一)について、平均0.2%引き上げることとする。
 具体的には、総合職試験(大卒程度)、一般職試験(大卒程度)及び一般職試験(高卒者)に係る初任給について、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、1,500円引き上げることとし、若年層についても1,000円程度の改定を行う。その他については、それぞれ400円引き上げることを基本とする。再任用職員の俸給月額についても、この取扱いに準じて改定を行う。
(行政職俸給表(一)以外の俸給表)
 行政職俸給表(一)以外の俸給表についても、行政職俸給表(一)との均衡を基本に所要の改定を行う。指定俸給表については(略)

 それでは、行政(一)の俸給制度表を作成した上で、報告の記述内容を確認してみる。

 大卒・高卒の初任給基準である号俸については、1,500円引上げとされている。改定状況を確認すると次のとおり。
 総合職試験(大卒程度)2級1号俸 192,700円→194,000円(+1,300円)
 一般職試験(大卒程度)1級25号俸 179,200円→180,700円(+1,500円)
 一般職試験(高卒者) 1級5号俸 147,100円→148,600円(+1,500円)
 報告ではすべて「1,500円引き上げる」としているが、総合職試験(大卒程度)の初任給の引上げは1,300円である。人事院は、最後の最後で報告書の修正を漏らしたのかもしれない…。(※追記)

 若年層に適用する号俸についても1,000程度の改定を行うとしている。
 俸給制度表を見ていくと、大卒制度年齢22歳を超えた号俸から号俸を上昇するに従って改定額を1,500円から1,000円まで低減させ、改定額1,000円は大卒制度年齢29歳で終了している。
 基幹号俸について、ピックアップしておく。
  年齢 経験  1級の改定額 2級の改定額 3級の改定額
  22歳 0年 25号俸 1,500円  
  23歳 1年 29号俸 1,400円
  24歳 2年 33号俸 1,300円 1号俸 1,300円
  25歳 3年 37号俸 1,200円 5号俸 1,200円
  26歳 4年 41号俸 1,100円 9号俸 1,100円
  27歳 5年 45号俸 1,000円 13号俸 1,100円
  28歳 6年 49号俸 1,000円 17号俸 1,100円  1号俸 1,100円
  29歳 7年 53号俸 1,000円 21号俸 1,000円  5号俸  1,000円
  30歳 8年 57号俸 900円 25号俸  900円  9号俸  900円

 その他の号俸については400円引上げを基本としているので、続いて見ていく。
大卒制度年齢30歳から改定額を1,000円未満に下げ、大卒制度年齢39歳(5級以上は40歳)で500円となるよう低減させていく
 大卒制度年齢40歳(5級以上は41歳)以上は、改定額を一律400円としている。
 再任用職員の俸給月額は、一律400円の改定としている。

 平成29年4月較差改定のときは、初任給について1,000円の引上げで、 大卒制度年齢29歳まで改定額を1,000円とし、その後、大卒制度年齢35歳まで改定額を900円で引っ張っていた。今年の場合は、初任給が1,500円であった分、年齢の上昇に伴う改定額の下がり具合が早くなっている。
 一律400円改定の号俸については、平成29年改定では大卒制度年齢40歳以上は職務の級にかかわらず一律400円の改定であったが、平成30年改定では5級以上の号俸については大卒制度年齢41歳以上が一律400円の改定となっており、若干異なっている。理由はもちろん書かれてはいない。おそらく、較差を埋めるための微調整かと思う。

 ところで、昨年の全人連モデル給料表については旧教(二)が旧教育(三)より低くなった号俸があるなど、丁寧さに欠けていることを指摘した(458. 教(三)より教(二)の方が低い?(29年全人連モデル)).さて、今年はどうか?

(※追記)
 「報告ではすべて「1,500円引き上げる」としているが、総合職試験(大卒程度)の初任給の引上げは1,300円である。人事院は、最後の最後で報告書の修正を漏らしたのかもしれない…。」と書いたが、間違っていた。行政職俸給表(一)備考(二)に「2級1号俸を受ける職員のうち、新たにこの俸給表の適用をうけることとなった職員で人事院規則で定めるものの俸給月額は、この表の額にかかわらず、185,200円とする。」とある。改定前は183,700円であり、1,500円の改定でありました。ご指摘をいただきました。ありがとうございました。


 
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