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31. 旧教育職俸給表(二)1級(その3) [3. 旧教(二)1級]

 教(二)(三)1級の俸給水準を確認するためには、行(一)における同格の号俸と対比しなければならないだろう。教(二)(三)2級を考察した際に使用した手法を使って、順次、確認していこう。いずれも、給与構造改革前の俸給表で確認していく。
 まず、出発は行(一)の1級である。行(一)の1級(現行2級)に採用する場合の正規の試験の試験区分は、国家公務員採用Ⅲ種試験とされている(人事院規則八-八(採用試験))。その受験資格は、行政事務の場合には「試験の告知の日の属する年度の四月一日における年齢が十七歳以上二十一歳未満の者」とされている。つまり、高校卒の者を基本に採用を考えていることになる。これを、給与制度で見てみると、行(一)の級別資格基準表においては、試験区分がⅢ種の者については学歴免許等の区分は高校卒で1級の必要経験年数が0とされ、初任給基準表においても、Ⅲ種は1級3号俸を初任給としている。
 これに対して、教(二)(三)1級についてはどうか。講師は、教諭に準ずる職務を行うことから、教育職員免許状を保有していることが求められる資格任用職であって、大学卒又は短大卒となる。これに対して、助教諭や実習助手、寄宿舎指導員といった職には教育職員免許状の保有という資格は必要なく、高校卒であれば任用できることになっている。給与制度では、教(二)(三)の級別資格基準表においては、これらの職については学歴免許等の区分は大学卒、短大卒及び高校卒で1級の必要経験年数は0とされ、初任給基準表でも、これらの職には、大学卒、短大卒及び高校卒の3区分を設け、それぞれ1級7号俸、1級4号俸(6月短縮)、1級2号俸を初任給としている。
 教(二)(三)の場合に高校卒業後の学歴を職歴以上に高く評価する制度となっていることについては、ここでは別の問題であって、横に置いておくことになる。教(二)(三)1級の俸給水準を確認するために、行(一)と号俸レベルで格合わせを行うための出発点が確認できればよい。すなわち、それは、行(一)1級をスタートと考えれば、Ⅲ種の初任給1級3号俸と、教(二)(三)1級の高校卒の初任給1級2号俸を同格と考えて間違いないであろう。若干補足をすれば、教(二)(三)1級の考察に当たっては、直接的には講師の俸給ではなく、助教諭や実習助手、寄宿舎指導員の俸給について、その水準を確認していくことになるということである。


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30. 旧教育職俸給表(二)1級(その2) [3. 旧教(二)1級]

 前回、旅費の運用方針を使って教(二)(三)の行(一)との格合わせを行ってみた。
 講師や助教諭は、特別の事情のあるときに教諭に代えて置く職(学校教育法第28条第13項)であるし、通常は臨時に置く職であることから、実際の給与水準の評価は別として、格の合わせ方は分かるような気がする。
 一方、実習助手や寄宿舎指導員についてはどうか。それらの職務を教諭との関係で見ると、法令上は確かに明らかに格に差がある。教諭は、児童・生徒の教育をつかさどるとされているのに対して、実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける(同法第50条第3項)とされ、寄宿舎指導員は、寄宿舎における児童、生徒又は幼児の日常生活上の世話及び生活指導に従事する(同法第73条の3第2項)とされている。しかしながら、講師が臨時の職で、講師に任用される場合も短期間その職務に従事することになるのに対して、実習助手は寄宿舎指導員の場合には、正規の職員として任用され、退職まで学校に勤務する場合も少なくない。経験を積んだ実習助手の実際の学校における役割を考えた場合には、控えめに見ても、単に教諭の職務を助けるといった職務に止まっていないことは確かであろう。そう考えれば、少なくとも教(二)1級が行(一)との対比で3級までというのは格付けとして低すぎはしないかとの感想を持つ。学校事務職員に止まらず、教育委員会事務局の事務職員や知事の部局の事務吏員たちの行(一)における昇格運用に実際からいっても、給与上の評価がちょっと厳しすぎるのではないかと思ってしまう。
では、実際の俸給水準はどうなっているのであろうか。次回以降、この点を確認していきたい。


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29. 旧教育職俸給表(二)1級(その1) [3. 旧教(二)1級]

 さて、今回から1級、とりわけ旧教育職俸給表(二)の1級を意識しながら考察してみたい。
 教(二)(三)2級については、給料表を作成するための人事院の考え方をうかがい知るいくつかの手がかりがあったが、教(二)(三)1級については、2級のような手がかりがほとんど見つけられなかった。従って、教(二)(三)2級を考察した際の手法を使いながら、想像力を働かせて考えるしかない。

 まず、行(一)との格合わせを行ってみる。「国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について」(昭27蔵計922大蔵省主計局長通牒)別表第一「行政職俸給表(一)の各級に相当する職務の級」の教(二)(三)削除直前のものを使用して、教(二)(三)の1級に注目して確認してみると、次のようになった。
<教(二)(三)1級の行(一)との格合わせ>
  行(一)   教(二)       教(三)
  1級    1-5以下    1-5以下
  2級    1-6~11    1-6~11
  3級    1-12以上    1-12以上
 教(二)、教(三)のいずれも1級から3級までわたっており、2級の場合のような格の違いはないようである。行(一)の3級といえば、級別標準職務表では、「主任の職務」「特に高度の知識又は経験を必要とする業務を行う職務」とされている。行(一)4級で「係長の職務」とされていることからすれば、教(二)(三)1級に格付けされている講師や助教諭、実習助手は寄宿舎指導員の職務については、行政職の係長に届かない程度の職責と考えているということになる。


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